ユミカツラ(Yumi Katsura)の2024-25年秋冬コレクションが2024年3月5日(火)、恵比寿ガーデンプレイス「ザ・ガーデンホール」にて発表された。
日本の結婚式およびブライダル業界を牽引し続けるデザイナー・桂由美。今季は、ユミカツラを象徴する花・バラとともに、2025年に60周年を迎える桂由美のデザイナー活動における軌跡をたどるコレクションを展開する。“Rose Yumi Story”のテーマ通り、ウェディングドレスをはじめ、ヘッドピースやブーケなど、ランウェイの随所にバラが散りばめられている。
1998年、京成バラ園で咲いた新種の白バラに、“花嫁のためのバラ”として名付けられた「ローズ・ユミ」。そんな気品とロマンチックさを兼ね備えた純白のバラ「ローズ・ユミ」のコサージュを頭につけたウェディングドレスのファーストルックで幕を上げた。
続いて目を惹くのは、ユミカツラの代名詞ともいえるシルエット「ユミライン」のウェディングドレス。着物のお引きずりに着想した、女性の体躯を引き立てる美シルエットはそのままに、総レースやオーガンジーなど軽やかな素材を取り入れたエレガントなスレンダードレスが登場した。
今季のムードを最も体現しているのが、ローズドレスの数々だ。ラメ糸でバラの刺繍を施したサテンドレスから、小さなバラモチーフを不規則にあしらったマーメイドドレス、バラ柄レースが煌めくケープドレス、ドレス全身に立体的なバラを縫い付けたミニドレスまで、上品かつエレガントなウェディングドレスがお目見えする。
カラードレスのバラモチーフも見逃せない。フロントとバックに“バラの花びらが浮き上がって見える”大きな立体モチーフ、胸元には1枚の花びらのようにデコラティブなハートシェイプラインを仕立てた淡いローズカラーのドレスや、ドレスの肩から背中、前面から背面にかけてバラの花々をリースのように施したブラックドレスなどが散見された。
また、ユミカツラの新和装スタイルも印象的。縁起のよい伝統的な吉祥模様の白無垢ながら、斬新なヘッドピースを身に着けることで、モダンなムードを演出している。牡丹や蘭・菊といった華やかな佇まいの色打掛に加え、ブルーの軽やかな生地に白いバラのカットワークを盛り込んだ、“洋レース風”の打掛も存在感を放っていた。
“着回しを楽しめる”エレガンスウェアを製作するエフ(ykF)は、日常でも気軽に着られるスタイリングを提案。淡いサーモンピンクのシルク素材を用いたアフタヌーンドレスや、ブラックのライン使いが新鮮なワンピース、ダークグレーのレーススカートが揃う。
なお桂由美は、今後の展望として「多彩なデザインを揃える花嫁のドレスに合わせて、メンズフォーマルの多様化にも力を入れていきたい」と語った。ランウェイでは、スタイリッシュ感のあるアースカラーや、カラードレスにマッチするライトカラーのタキシードを中心に、イエローやブラウンのピークドラペルスーツといった、豊富なカラーリングのフォーマルウェアが披露された。