バリー(Bally)の2024-25年秋冬コレクションが、ミラノの中心にある17世紀の宮殿パラッツォ・セルベローニにて発表された。
2023年よりデザインディレクターに就任したシモーネ・ベロッティが手掛けた今季のバリーは、スイス民話がインスピレーション源となった。アルプスの山々が連なるスイスに伝わる、山の物語が持つパワフルな神秘主義をコレクション内に詰め込み、民話から着想を得たモチーフやスイスの民族衣装などを現代的なウェアと融合させた。
エンガディン地方の湖に伝わる人魚伝説を着想源に、セイレーンの尾にヒントを得たシルエットは、今季のバリーを語る上で欠かせない要素の1つだ。そのシルエットはタイトなロングスカートに採用。ウエストのくびれに沿うように高い位置に設定されたウエストはVの字を描き、まるで人魚の尾びれのような形状に。中央に切り込みの入ったこのスカートは、シャツと組み合わされフォーマルに、またデニム素材で登場したルックも同様にフォーマルな装いで提案された。
スイスの民族衣装のうち、ベストをモチーフにしたレザーベストにはシルバーパーツを全面にオン。牛などのパーツのほか、スタッズなどをふんだんに散りばめている。なお同様のシルバーパーツをあしらったレザースカートも登場した。
カラーパレットは黒を基調に、スイスの国旗に使用され民族衣装にも多用される赤をアクセントに構成。赤に染まったワックスレザーコートやアルパインジャカードニット、柔らかなモヘアニットなどが展開された。
2024年春夏コレクションに登場した、牛の首につけるカウベルは今季も引き続きお目見え。ボディにひしめき合うようにベルがあしらわれたバッグが登場し、人々の目を惹き付けた。