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ヨウジヤマモト プール オム(Yohji Yamamoto POUR HOMME)の2024年秋冬コレクションが、2024年1月18日(木)、フランスのパリにて発表された。
時のゆったりとした流れに身をまかせるかのようだ──抜け感のあるテーラリングを中心に、ワークウェアの要素、ミリタリーウェアのディテールを取り入れた今季のヨウジヤマモト プール オムは、渋くも包み込むような温かみを感じさせる。
テーラリングは、セットインショルダーのシングルブレストが基調。セットインとはいえ、ショルダーは肩幅よりわずかに余裕を持たせ、あるいはかすかに肩にピークを立てるなど、緊張感の張りつめることのない余裕のある雰囲気に仕立てられている。また、ソリッドでハリのあるファブリックばかりでなく、木目調の素材や経年変化を帯びたように柔らかな風合いのものなど、豊かな質感が見られる。
こうしたテーラリングには、フロントのラペルを切り離し、ショルダーにはエポーレットをあしらうなど、しばしば随所にディテールのアクセントが施されている。しかし、それはあくまで、抜け感のあるテーラリングの佇まいを損なうことはない。
ワークウェアも、テーラリングと並んで数多く見受けられる。ヘリンボーンのツイードを用いたワークジャケット、テーラードジャケットの下に重ねたワークベストなど、日常へと身近に溶け込むのような無骨で温かみのある装いが散りばめられている。
コレクション全体を通して見られたのが、ストラップやフリンジなどのディテールだ。ジャケットやコートにはストラップをゆらりと垂らし──このストラップを使ってコートの裾をくるりと返すなど、シルエットに変化も加えられている──、文字の刺繍からフリンジを伸ばすなど、歩みに合わせて揺れ動くこれらのディテールが、時間の流れと呼びかけ合う心地よい律動をもたらしている。
カラーは、ヨウジヤマモトのコアであるブラックを軸とはしつつ、温かみのあるグレーやベージュなども数多く見られる。また、ジャケットやコートには肖像のペイントを施し、あるいはシャツには赤やピンクのグラデーション、花柄を描きだすなど、手の温もりを感じさせる表現を取り入れた。
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