ベルパー(BELPER)の2024年春夏コレクションを紹介。
シンプルなアイディアを大切にしつつ、直に触れた時や目にした時に創造性を感じられる服作りを特徴とするベルパー。2024年春夏シーズンは、ヴィンセント・ギャロが監督・主演を務めた映画『バッファロー'66』からインスピレーションを得ている。
例えば、劇中に登場するアメリカン・フットボールのNFLチームを連想させるスタジアムジャンパーは象徴的な1着だ。ベルパーとバッファローのロゴを並べて配したバックスタイルと、レッドやネイビーを基調としたスポーティーな配色が目を引く。
リバーシブル仕様になっているのもポイントで、裏返すと現れるのはスタジャンではなく“スカジャン”。背面には今にも噛みつきそうな表情のウサギと泣きそうな龍の刺繍を施すなど、随所に遊び心を効かせている。
また、“DON’T TOUCH ME”ロゴを記したシュールなグラフィックのノースリーブパーカーや、カレッジロゴを配したサテンドレス、サイドラインを配したプリーツパンツなど、アクティブなウェアが揃う。ゆったりとした分量感に仕上げたマウンテンパーカは、軽快なホワイトやブラックの生地に流れるようなフォントのロゴを配しアクセントをプラス。プリントされたロゴをよく見ると、過去のベルパーのシーズンテーマが並んでいるのが見て取れる。
コレクションにノスタルジックなストーリー性をもたらしているのは、柔らかくフェミニンなアイテムだ。チェック柄のジャンプスーツにはふんわりとしたつけ襟を重ね、オーバーサイズのジャンパーの下には花柄プリントのキャミソールドレスをコーディネート。また、透け感のある水玉のボウタイブラウスや、バルーンスリーブのワンピースなども登場している。アクティブなアイテムや、カジュアルな装いにフェミニンさが差し込まれることで、センシュアルな雰囲気やドラマティックさが際立っている。
また、着た時になじむフォルムを形作る独特なディテールも印象的だ。シャツのパターンを変形させたトップスは、ざっくりと背中の開いたトップスとしても、ケープとしても着られる2WAY仕様となっている。また、脚に複数のドローコードを配したシャカパンは、すべてのドローコードを引いて固定するとギャザーが寄って表情豊かな佇まいに。シアーな綿麻のシャツは、腰に巻き付けた時に綺麗に見えるよう部分的にファスナーが施されている。