舞台は1990年代アメリカ都市郊外の名もなき町。幼馴染で親友のイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は、高校を卒業したものの、進路も決めずにあてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしている。
ある日、2人はモテないレコードマニアの中年男・シーモア(スティーブ・ブシェミ)に出会う。ダサくても独自の世界観を持つシーモアに興味を持ったイーニドは、アウトサイダーとして生きる彼の“理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。一方のレベッカは、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとする。同居生活を計画していた2人の間には次第に距離が生まれてしまい……。
2001年に公開された映画『ゴーストワールド』は、「ダメに生きる」というキャッチコピーが反響を呼び、当時にしては新しい“低体温系”青春映画として大ヒットを記録した作品。アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズによるグラフィック・ノベル『ゴーストワールド』が原作だ。ドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフが監督を務め、脚本はツワイゴフと共に原作者のクロウズが執筆した。カミング・オブ・エイジの傑作として、若い世代にも愛され続ける作品となっている。