1953年。第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドン。公務員のウィリアムズは、今日も同じ列車の同じ車両で通勤する。家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていた。そんなある日、彼は医者から癌であることを宣告され、余命半年であることを知る。歯車でしかなかった日々に別れを告げ、自分の人生を見つめ直し始める。手遅れになる前に充実した人生を手に入れようと。バカ騒ぎするなど色々やってみたもののしっくりこずロンドンに戻るウィリアムズ。かつて彼の下で働いていたマーガレットに再会する。そんな彼女に惹かれ、ささやかな時間を過ごすうちに、彼はまるで啓示を受けたかのように新しい一歩を踏み出すことを決意。その一歩は、やがて無関心だったまわりの人々をも変えることになる。
黒澤明監督の名作映画『生きる』を、イギリスを舞台にリメイクした作品。主演はビル・ナイ、脚本はノーベル賞作家のカズオ・イシグロが務めている。