ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)は、2023-24年秋冬コレクションを発表した。
都会から離れた山小屋で日々を過ごすことが多くなったというデザイナーの相澤陽介。インスピレーション源となったのは、石川直樹がネパールの山・マナスルを撮影した写真集『Manaslu / NAOKI ISHIKAWA』やエリオット・ポーターなど、山に関連する写真集や文献の数々だ。そんな中で、相澤が着目したのは「山々の表情の変遷」。山の風景の豊かな移ろいを、深みのある色合いや草木柄のテキスタイルを通してコレクションに落とし込んでいる。
例えば、タイオン(TAION)とのタッグによるダウンジャケットや半纏型ダウンアウターには、木々や野草の色彩を思わせるカーキ、グリーンなどの色彩をオン。黄色がかったグリーンのパフィーなアウターや、土のようなカーキベージュのコートなども登場している。スエード調の面と、シボ感のあるリアルレザー調のダブルフェイス素材を用いたプルオーバーやジャケットは、ナチュラルな風合いと合皮ならではの軽快さを兼ね備えたユニークなテクスチャーが目を引いた。
ふんわりとしたフリースのハーフジップジャケットやノーカラージャケット、パンツには、エリオット・ポーターの写真から着想を得たカラーパレットの幾何学模様を装飾。フリースの長い毛足とグラフィカルな模様が相まって、生き生きとした風合いを織りなしている。加えて、華やかなボタニカルプリントのシャツや、植物モチーフのストールなども、コレクションに彩りをもたらした。
アウターは、暖かさを保ちながらも柔らかく軽やかなコートやジャケットが散見された。耐水性や透湿性、防風性に優れたダークグレーの3レイヤーコートは、ウールのような質感に。また、ふくらみのあるウールフランネルのダッフルコートや、ソフトなヘリンボーンジャカードのAラインコートなどもしなやかな感触が印象的だ。
“ブラック”をコンセプトにした「BLK」ラインからも、透湿性の高い「ゴアテックス アクティブ(GORE‑TEX Active)」にプリマロフト(PRIMALOFT)の中綿を組み合わせた、軽やかな撥水中綿ジャケットをはじめ、薄く機能性に優れたアウターが展開される。
今季も多数のコラボレーションを発表。ワイルドシングス(WILD THINGS)とコラボレーションしたモンスターパーカーは、切り替えを施すことでアクセントを効かせた。透け感のある3D リップストップを身頃にあしらい、一段と表情を加えている。また、VANS(ヴァンズ)やニューエラ(NEW ERA)、ダナー(Danner)、ブリーフィング(BRIEFING)、グラミチ(GRAMICCI)、メレルなどともコラボレーション。キウ(KiU)とタッグを組んだ、ウィンドウ・ペンチェックのレインコートも登場する。