企画展「光陰礼讃─近代日本最初の洋画コレクション」が、京都の泉屋博古館にて、2023年5月21日(日)まで開催される。

近代の西洋絵画と日本洋画を紹介

企画展「光陰礼讃─近代日本最初の洋画コレクション」は、泉屋博古館の住友コレクションから、近代の西洋絵画と日本洋画を紹介する展覧会だ。

住友コレクションにおける近代西洋絵画・日本洋画のコレクションは、1897年(明治30年)、住友吉左衞門友純(春翠)が印象派の画家クロード・モネの油彩画2点を入手したことに始まる。以後、洋画家・鹿子木孟郎を仲介者に、当時のパリで活躍する画家の作品を収集していった。

19世紀後半のフランス美術は、それまで中心にあったアカデミスムの絵画が次第に衰退し、印象派をはじめとする新しい潮流が台頭してゆく最中にあった。これを反映して、住友コレクションには、アカデミスムと印象派の作品がともに収集されることになる。その後、関西の洋画壇を牽引した浅井忠とその門下生、そしてパリへの留学後に日本の洋画を切り拓いた画家の作品が順次加えられていった。

本展では、陰影表現によって実在感を追求したアカデミスムと、移ろう光の豊かな表情を追求した印象派を「光陰」と捉え、これら2つの流れから展開した近代絵画の数々を紹介。ジャン＝ポール・ローランス《マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち》やクロード・モネ《モンソー公園》といった19世紀フランス絵画に加え、浅井忠《河畔洋館》や藤島武二《幸ある朝》、岡田三郎助《五葉蔦》など、日本の近代洋画を代表する画家による作品の数々を目にすることができる。

また、明治の洋画家・田村直一郎も特集。田村は、生没年ばかりでなく、師弟関係や画歴なども知られていない。しかし、厚塗り技法で描かれたその風景画は、日本で油彩による点描法が使用され始めた明治40年代前半に先立って制作されたものである。本展では、《武甲山入口夕陽》や《朝陽荒川上流図》といった田村の作品を初公開する。

展覧会概要

企画展「光陰礼讃─近代日本最初の洋画コレクション」
会期：2023年3月14日(火)～5月21日(日)
会場：泉屋博古館
住所：京都府京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24
開館時間：10:00～17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日、4月25日(火)
入館料：一般 800円、高校・大学生 600円、中学生以下 無料
※20名以上は団体割引20%
※障がい者手帳の提示者本人および同伴者1名までは無料

【問い合わせ先】
泉屋博古館
TEL：075-771-6411