特別展「日本の風景を描く ─歌川広重から田渕俊夫まで─」が、東京の山種美術館にて、2022年12月10日(土)から2023年2月26日(日)まで開催される。
季節の変化に富む日本の風景は、古くから美術の題材として取り上げられてきた。とりわけ江戸後期には、東海道をはじめとする街道の整備にともなって人びとの旅に対する意識が増し、各地の宿場や名所を描いた歌川広重の浮世絵風景画が人気を博した。明治期には、西洋の写実的な表現が日本にもたらされるとともに、日本各地の風土への関心が高まったため、目の前に広がる身近な自然が描かれるようになった。そして昭和の戦後には、抽象的な表現や画家の心象も風景画に取り込まれてゆくようになる。
特別展「日本の風景を描く ─歌川広重から田渕俊夫まで─」では、このように多様化していった日本の風景画表現を紹介する展覧会だ。日本の風景や自然を題材にした作品を取りあげ、江戸時代から現代までの画家による優品を展示する。
会場では、宿場や名所などの風景を抒情豊かに描きだした歌川広重の「東海道五拾三次」や「近江八景」、自然とともに日常を営む人びとを取り上げた川合玉堂の《早乙女》、送電塔の立つ農村風景という現代的な情景を描いた田渕俊夫の《輪中の村》、そして石田武の連作「四季奥入瀬」などを一堂に展示。特に、石田の《四季奥入瀬 春渓》と《四季奥入瀬 瑠璃》(ともに個人蔵)の展示は37年ぶりとなる。
特別展「日本の風景を描く ─歌川広重から田渕俊夫まで─」
会期:2022年12月10日(土)〜2023年2月26日(日) 会期中に一部展示替えあり
[前期 12月10日(土)〜1月15日(日) / 後期 1月17日(火)〜2月26日(日)]
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(1月9日(月・祝)は開館)、12月29日(木)〜1月2日(月・振替休日)、1月10日(火)
入館料:一般 1,300円、高校生・大学生 500円、中学生以下 無料(付添者の同伴が必要)
※障がい者手帳、被爆者健康手帳の提示者およびその介助者(1名)は、一般1,100円
※冬の学割:本展にかぎり、高校生・大学生の入館料が通常1,000円のところ、特別に半額
※きもの特典:きものでの来館者は、一般200円引きの料金
※複数の割引・特典の併用は不可
※入館日時のオンライン予約が可能(詳細については山種美術館ウェブサイトを確認のこと)
※会期や開館時間などは変更となる場合あり
※上記文中のうち、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館所蔵。
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル / 電話受付時間 9:00〜20:00)