箱根の岡田美術館では、開館10周年記念展 第1部「若冲と一村 ─時を越えてつながる─」を、2022年12月25日(日)から2023年6月4日(日)まで開催する。

伊藤若冲と田中一村に着目した展覧会

2023年秋に開館10周年を迎える岡田美術館では、これまでの展覧会で特に人気の高かった画家4人に着目し、2人ずつ2部に分けて紹介。その第1部「若冲と一村 ─時を越えてつながる─」では、江戸時代の伊藤若冲と、昭和時代の田中一村を取り上げる。

若冲と一村は、ともに写実を徹底したばかりでなく、艶やかな色彩や画面に張りつめた緊張感など、その作風に類似点を見出すことができる。本展では、若冲と一村の着色画、墨絵、そして同じ種類の鳥を描いた絵画などを組み合わせて展示するとともに、関連する画家による作品や伝統的な花鳥画の屏風絵など約40件を紹介する。

若冲と一村の名作が一堂に

本展では、伊藤若冲と田中一村の名作を一堂に集めて展示。若冲が着色画を手がけたのは、85年の長い生涯のうち40代を中心とする時期であった。一方、一村が代表作を残した19年間の奄美大島時代のなかでも、絵に専念したのは10年ほどと考えられている。短い期間に描かれ、現存する作品が限られるなか、若冲の《花卉雄鶏図》や《孔雀鳳凰図》、一村の《熱帯魚三種》や《白花と赤翡翠》など、鮮やかな色彩で描かれたふたりの作品を揃って目にすることができる、貴重な機会となる。

墨絵の魅力

若冲と一村は優れた着色画を手がける一方、墨絵の名手でもあった。とりわけ一村は、「墨画の近代化」という言葉を残すなど、墨絵の探求を試みていた。本展では、若冲最晩年の傑作である《三十六歌仙図屏風》や一村の《瀑布》などに加えて、一村がその門人と称した水墨画の名手、松林桂月の作品もあわせて紹介する。

若冲・一村と同時代の画家による作品も

若冲は、江戸時代中期の太平のなか京都で生涯を過ごした一方、一村は明治末から昭和にかけての激動の時代、転居を重ねつつ生活した。会場では、ふたりが生きた当時の世相と境遇の違いに着目しつつ、若冲の時代の池大雅や円山応挙、与謝蕪村、そして一村の時代の川合玉堂や速水御舟、東山魁夷などの優品を公開する。

展覧会概要

開館10周年記念展 第1部「若冲と一村 ─時を越えてつながる─」
会期：2022年12月25日(日)～2023年6月4日(日)
会場：岡田美術館
住所：神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
休館日：2022年12月31日(土)〜2023年1月1日(日・祝)
開館時間：9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料：一般・大学生 2,800円(2,550円)、小中高生 1,800円(1,550円)
※( )内は前売料金
※前売券(JTBレジャーチケット、チケットぴあ)は、主要コンビニエンスストアおよびチケットぴあにて販売
※開館10周年記念展の会期中は、「10周年の感謝をこめてお誕生日ペア特別ご招待」を実施。誕生日当日の本人と同伴者1名の入館料無料(受付にて身分証明書を提示)

■福井江太郎によるトークとライブペインティング 第3弾
日時：2023年5月13日(土)13:00～15:00
※参加費無料(要入館料)、定員あり、事前申込

※画像写真の無断転載を禁ずる。

【問い合わせ先】
岡田美術館
TEL：0460-87-3931 (代表)