乙野四方字の小説『君を愛したひとりの僕へ』がアニメーション映画化。『僕が愛したすべての君へ』とともに、2022年10月7日(金)より2作同日公開される。
乙野四方字(おとのよもじ)の原作小説『君を愛したひとりの僕へ』『僕が愛したすべての君へ』は、“並行世界”のラブストーリー。“並⾏世界”を行き来することができ、ある“選択”によって異なる人生を歩むことになる同じ名前の少年・暦を主人公に、それぞれの世界で出会う少女との恋愛模様を描く。
特徴的なのは、『君愛』『僕愛』ともに独立した物語ながら、2つの世界は絡み合い連動しており、お互いにお互いの世界を支え合っている設定。この斬新な“並行世界”の設定がTikTokで紹介されると話題を呼び、累計発行部数28万部突破のヒットを飛ばした。
そんな『君愛』『僕愛』が2作同時に映画化。前後編の物語ではないため、どちらから先に観ても楽しめる内容となっており、観る順番によって鑑賞後の感動が変わる仕掛けが施されているという。
『君を愛したひとりの僕へ』は、日高暦を主人公に据えた物語。両親が離婚し、父親と暮らす小学生の暦は佐藤栞という少女と出会い、互いに恋心を抱くようになるが、親同士が再婚することに。2人は兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断する。
■主人公・日高暦…宮沢氷魚
両親が離婚し、父親と暮らす。父の勤務先で佐藤栞と出会う。演じるのは、映画『his』や『騙し絵の牙』、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』など、話題作への出演が続く宮沢氷魚。本作が声優初挑戦の宮沢は『僕愛』では高校生の高崎暦を演じ、一人二役に挑む。
宮沢は『君愛』と『僕愛』、それぞれの暦の印象について、「人は育った環境によって、性格や考え方も変わってきます。どちらも暦ではあるので、ベースは変わらないのですが、別の道を選び、違う人生を送る二人の暦の演じ方、表現の仕方はすごく悩みましたが、すばらしい画と台本、この二つを信じて、演じました。演じ分けたというよりも、物語の流れに身を任せていれば、自然に変化が出てくることに気づき、作り込むよりも、⼀つ⼀つのシーンを大事に丁寧に演じることを⼼がけました。物語の流れに任せることで、自然と二人の暦にたどり着くという不思議な感覚がありました」とコメントを寄せた。
■佐藤栞…蒔田彩珠
暦と恋仲になるヒロイン。映画『万引き家族』、『朝が来る』をはじめ、NHK連続テレビ⼩説『おかえりモネ』やドラマ『妻、小学生になる。』といった作品でも存在感を放つ若手演技派女優・蒔田彩珠が演じる。
声優への挑戦は2度目となる蒔田は、アフレコを経て感じた栞の印象について、「声を⼊れるまでは妹のような感じで暦くんに⽢えている印象があったのですが、実際に演じてみると、暦くんに⼼配かけないように⾃分の中で気持ちを抑えて、明るく振る舞っているところも感じられ、寂しさやつらさが伝わってきました」と語った。
■栞の⺟...⽔野美紀
■おばあさんになった和⾳...余貴美⼦
■おじいさんになった暦...⻄岡德⾺
『僕愛』『君愛』ともに、物語の舞台となっているのは原作者・⼄野四⽅字の故郷である⼤分。映画の劇中にも、実在の場所が登場する。例えば、大分市中心部に位置する「昭和通り交差点」は『君愛』の世界では幽霊になってしまった栞がいる場所。また、暦と栞が、お互いの親同⼠の再婚を知り、途⽅に暮れていた場所として、⼤野川⽇豊本線の河川敷が登場する。アニメーションならではの、美しい描写に注目だ。
映画『君を愛したひとりの僕へ』の主題歌は、Saucy Dogの新曲「紫苑」。やさしいメロディと、ボーカル石原慎也のエモーショナルな歌声が、物語に彩りを添える。