マックスマーラ(Max Mara)の2022-23年秋冬コレクションが発表された。テーマは「Modernist Magic」。
歴史的に活躍した女性にしばしばオマージュを捧げてきたマックスマーラ。今季の着想源となったのは、建築家、ダンサー、テキスタイルデザイナー、画家、彫刻家として活躍したチューリッヒダダイズムの中心的人物、ゾフィー・トイバー=アルプだ。本コレクションでは、ごくありふれた日常的なものに“魔法”をかけ、神秘性を与える彼女のクリエイティブな才能を讃え、その魅力を衣服に落とし込んでいる。
シルエットは、トイバー=アルプが代表作「キングスタッグ」のためにデザインした“マリオネット”のフォルムを強く反映。ウエストから大きく膨らんだベルシルエットのフルレングススカートはマリオネットの着ている服を連想させ、スキニーなタートルネックやバラクラバとのコントラストを際立たせる。
ブーツとレギンスを組み合わせたような、クレープソールのニットキュイサールには、マリオネットの関節構造をイメージしたキルティングをオン。モヘアセーターにも同様に、袖部分にぽこぽことした模様をあしらった。
マックスマーラを代表するコートたちは今シーズンも主役級だ。ロングにショートとバラエティ豊かなラインナップの中でもひときわ目を引いたのは、圧倒的な重厚感を放つ“ボア素材”のコート。もこもことしたテディベアコートの上にオーバーサイズのパファコートを重ねたルックは、アルプスの麓にあるトイバー=アルプの故郷を想定したものだそうで、寒い季節でも温かく過ごせるようにとの想いが込められている。
レッドやオレンジ、イエローなどのマットなパレットは、トイバー=アルプのタペストリーから引用したもの。あたたかみのある色調と重ねるように、ニットやテーラードジャケットにはペールマットゴールドのジッパーディテールを配し、モダンなアクセントをプラスしている。