TOGA(トーガ)の2022-23年秋冬コレクションは、“HOOPS”、“BOUNCING”、“SWINGING”がテーマ。3つのキーワードには、服と人体との空間を意識させるという点で大きな共通点があり、その延長線上にあるのは、人体との空間があるからこそ生まれる“動き”。今季は、着る人の足取りとともに身体の周りを揺れて、動いて、弾むような“楽しい服”を提案するシーズンだ。
テーマの基軸に置いたのは、意外にも“規律”を彷彿とさせるテーラード。3つのキーワードのもと不規則なパターン、あるいは異素材の組み合わせを駆使することで、愉快な動きをもたらしている。例えば、テーラードジャケットは上下、あるいは身頃と袖で切り離され、間を埋めるようにストレッチの効いた素材をあてがう。ジャケットにウエストダーツをあえて加えず、身体との間にゆとりをもたらすことで、服に“揺れ”を生じさせた。
TOGAらしい多彩なファブリックは、切り離されることでさらに新鮮味を帯びる。ファーコートは、異素材とのハイブリッドによって、裾にサーキュラー状の新たなシルエットが生まれている。タフタのスカートは、ハリ感を味方にし、より身体と服の空間を意識させるものへと昇華された。
“HOOPS”のキーワードが顕著に投影された、骨組み入りの歪なフォルムのスカートは、ただ重力に従うのではなく、もっと自由なシルエットを築く。そこにスパンコールを仕込めば、通常よりも煌めきが多彩に、ダウンを使えばより構築的なボリュームになり、なおのこと服の魅力は倍増。時には膨らみ、時には足に沿い……人が身に着け、動きを加えればさらに楽しみは無限のものとなる。