企画展「生誕120周年記念 猪熊弦一郎回顧展 美しいとは何か」が、香川の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて、2022年4月2日(土)から7月3日(日)まで開催される。
猪熊弦一郎は、昭和期に活躍した画家だ。1902年に香川で生まれた猪熊は、戦前にはパリ、戦後は東京、ニューヨーク、ハワイと拠点を変えつつ活動。そのなかで画風は具象画から抽象画へと変化し、晩年には具象と抽象の枠を超えた作品も手がけている。
そのように変化に富んだ画業において、猪熊は一貫して「美」の表現を追求した。企画展「生誕120周年記念 猪熊弦一郎回顧展 美しいとは何か」では、猪熊が作品として生みだした多様な「美」と、それに対する思いに着目しつつ、70年に及ぶ画業を紹介する。
本展では、「美」の表現を求めるうえで心に留めていたことがらを、「色」「形」「単純化」「バランス」といったキーワードごとに紹介。たとえば「形」では、身近な形を単に写し取るのではなく、単純化や変形を施し、あるいは他のものと組み合わせることで新たな「美」を生みだす過程を、《手 フィンガーブラック》などの「手」を題材とした作品からたどってゆく。
また、会場では、1991年の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館開館にあわせて完成された2点のアクリル画、《宇宙都市休日》と《手の残した言葉》を展示。いずれも縦4mに及ぶ作品であり、《宇宙都市休日》は明るい大きな色面を特徴とする一方、《手の残した言葉》にはさまざまな形が絶妙なバランスで配置されており、ともに猪熊の「美」の表現の集大成だといえる。加えて、1991年の開館記念展のポスターともなった作品《楽しい家族》も目にすることができる。
本展は、空間構成にも特徴がある。展示室の2つの空間のうち、一方にはキーワードや猪熊の言葉、そして解説などとともに作品を展示するのに対し、もう一方では広々とした展示室を活かして、インスタレーションのような展示空間を念頭に置きつつ作品だけを展示。異なる視点から構成された展示方法により、猪熊作品の充実した鑑賞体験をもたらすことを試みる。
企画展「生誕120周年記念 猪熊弦一郎回顧展 美しいとは何か」
会期:2022年4月2日(土)〜7月3日(日)
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
住所:香川県丸⻲市浜町80-1
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(5月2日(月)は開館)
入館料:一般 950円(760円)、大学生 650円(520円)
※高校生以下または18歳未満、丸亀市在住の65歳以上、各種障害者手帳の所持者とその介護者1名は無料
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
※常設展の観覧料含む
※画像の無断転載を禁ずる。
【問い合わせ先】
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
TEL:0877-24-7755