2013年10月14日(月)から19日(土)まで、東京・渋谷を中心に都内でショーが繰り広げられた2014年春夏の東京ファッションウィーク。日本の若手クリエイターや注目のホープなど約50ブランドが集まり、美の競演を繰り広げたファッションウィークの期間中、多くのデザイナーが口にした言葉は「境界線」だ。
「ぽい」とか「らしい」といった既成概念から解き放たれ、新しい境地へチャレンジする意気込みは、その色使いにも顕著に表れていたように思う。今回、東コレブランドのコレクションを埋め尽くした色は「ブラック」。春をイメージさせるような、可愛らしいパステルピンクや爽やかなペールトーンの色彩は姿を潜め、クールで強い「黒」を前面に出したインパクトのあるルックが多く台頭。時にヴィヴィッドカラーと毒々しいほど鮮やかなコントラストを描いた。
また黒を用いた表現も、ブランドによってその見せ方も、理由はそれぞれ。シャイニーでラグジュアリーな黒もあれば、エッジィでポップな黒、ミニマルな黒、実験的な表現の為の黒……。今季ランウェイショーを開催したブランドのルックから、15の「TOKYOブラック」スタイルをピックアップ!
「華麗なるギャッツビー」のレオナルド・ディカプリオをイメージしシセ ( Sise ) のコレクション。六本木の夜景をプリントしたオールブラックのこのルックは、煌びやかな反面、都会の持つ虚像を合わせ持ち、オトナの色気を感じさせる。
シセ 2014年春夏コレクションレポート:
http://www.fashion-press.net/news/8375
「メンズ服として着られるギリギリを狙った」と語ドレスドアンドレスド ( DRESSEDUNDRESSED ) のデザイナー。ジャケットをスカートにインするというかなり挑戦的なスタイリングが印象的だ。東京の若者の、柔軟でジェンダーレスな価値観にインスパイアされている。
ドレスドアンドレスド 2014年春夏コレクションレポート:
http://www.fashion-press.net/news/8370
着る人の身長や体系によって、シルエットやサイズが自由自在に調整できるコレクションを発表しアンリアレイジ ( ANREALAGE ) 。ショーでは自動的に服が縮んでいくように仕掛けが施され、その様子が分かりやすいように、カラーはほぼブラック、ホワイトのみに限定された。
アンリアレイジ 2014春夏コレクションレポート:
http://www.fashion-press.net/news/8391
建築三大巨匠のひとり、ル・コルヴュジェヤストシ エズミ ( Yasutoshi Ezumi ) のインスピレーション源。直線とスクエアを生かしたアーティな雰囲気のドレスは、モダン且つウェアラブルな印象だ。
ヤストシ エズミ 2014年春夏コレクションレポート:
http://www.fashion-press.net/news/8361
60~70'sの自由な空気感への憧れをコレクションにしビューティフルピープル ( beautiful people ) 。モッズスタイルを取り入れた若々しいスタイル。黒でも重くなり過ぎないのは、濃く染まり過ぎないリネンや透け感のあるテキスタイルなど、素材使いによるもの。オールブラックを爽やかに仕上げた。
日本の暴走族の“不完全な美”をテーマにしたクリスチャン ダダ ( CHRISTIAN DADA ) 。スタジャンにもセンターシームのトラペースパンツにも、繊細な龍の刺しゅうが。艶やかな生地と相まって、不良性とエレガンスのミックスマッチが面白い。
ファセッタズム ( FACETASM ) は、ジオメトリックな柄、ウエスタン、スポーツ、ワーク、トラッドなど多様なテイストを絶妙にMIXし、都会的に仕上げた。光沢と透け感のある生地の切り替え、ウエストのプリーツなどディテールやバンダナ、リストバンドなどのアクセサリー使いで、さり気なくエッジィにまとめられている。
白いキャンバスに絵具をぶちまけるイメージを土台にしミントデザインズ ( mintdesigns ) 。白いキャンバスに描かれた黒のマーブリングは、テーマの「眩暈」や「色の層でつくる柄」を象徴している。