イギリスのバンド ザ・スミスの名曲で彩る映画『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』が、2021年12月3日(金)より、TOHOシネマズシャンテ・渋谷シネクイントほか全国ロードショー。
『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』は、ザ・スミスが人気絶頂の中で解散した1987年を舞台に、5⼈の若者が⾃分を探して彷徨う⼀夜を描いた青春音楽映画。アメリカ・コロラド州で実際に起きた“ザ・スミスファンのラジオ局ジャック事件”を、X JAPANのドキュメンタリー『WE ARE X』など⾳楽映画に定評のあるスティーヴン・キジャック監督が映画化した。
<映画『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』あらすじ>
1987年。コロラド州、デンバー。スーパーで働くクレオは、⼤好きなザ・スミス解散のニュースが流れても普段と変わらない⽇常に傷つき、レコードショップの店員ディーンに「この町の連中に⼀⼤事だと分からせたい」と訴える。ディーンはクレオをデートに誘うが、友達が軍隊に⼊るので仲間と集まるからとクレオは出かけていく。1⼈になったディーンは、地元のヘビメタ専⾨のラジオ局に⾏ってザ・スミスの曲をかけろとDJに銃を突きつけた。同じ頃、クレオ、ビリー、シーラ、パトリックの仲良し4⼈組は、パーティーでバカ騒ぎをしながらも、⾃分⾃⾝や将来について思い悩んでいた。
ザ・スミスとは、1980年代イギリスのミュージックシーンを代表するバンド。1982年から1987年のわずか5年という短い活動期間でありながら、痛烈な歌詞と独特の⾳楽性で英国音楽シーンを席巻し、その後のミュージシャンたちにも大きな影響を与えたとされている。
ザ・スミスが熱烈な支持を集めた理由は、1980年代のイギリスで、賃⾦の低下や増加する失業率に苦しむ若者たちの気持ちを代弁したフロントマン・モリッシーによる印象的な歌詞。ギタリストのジョニー・マーが手がける繊細でメロディアスなギターのフレーズも相まって、デビューからわずか3年後、セカンド・アルバム『ミート・イズ・マーダー』でUKチャート1位にまで昇りつめた。
ところが、人気絶頂の最中にあった1987年にジョニー・マーが脱退し、その年の9月にバンドは解散に至る。
ザ・スミスファンはもちろん、ファンでなくても楽しめるポイントが、映画『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』には盛りだくさん。まず注目してほしいのが、80年代のムードを再現した劇中ファッションだ。肩パッド入りのパワーショルダーアウターや、ケミカルウォッシュデニムのボディコンシャスなワンピースなど、パーティーに集う若者たちの服装に当時の流行を落とし込んだ。
登場人物シーラは、80年代に大ブレイクし、ファッションアイコンにもなったマドンナを完コピ。ハードな印象のジャケットにクラッシュデニムを合わせ、アクセサリーを重ね付けし、パンキッシュ×ロマンティックなマドンナのスタイルを真似ている。
ザ・スミスのファンであるクレオは、ロンドンのモッズ、パンクといったストリートカルチャーの影響を受けたスタイル。レース付きのインナーにモッズコートを羽織り、ミリタリーアウターをフェミニンに着こなしている。パンク・ロックのミュージシャンからインスパイアされたであろう、胸元の缶バッジも要チェックだ。
映画『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』に彩りを添えるのは、ザ・スミスの名曲の数々。タイトルにもなっている「ショップリフターズ」をはじめ、代表曲「ゼア・イズ・ア・ライト」「ディス・チャーミング・マン」「⼼に茨を持つ少年」など、ザ・スミスの楽曲20曲以上を散りばめている。ザ・スミスのファンだけでなく、まだ聴いたことがないという音楽ファンもきっと楽しめるはずだ。
実話を基にしたフィクションでありながら、劇中にはモリッシーへの貴重なインタビュー映像も登場。ザ・スミスのメンバーとの関係や解散について語る、若き⽇のモリッシーを⾒ることができる。
悩める5人の若ものたちを演じるのは、新進気鋭の若⼿俳優。『6才のボクが、⼤⼈になるまで。』のエラー・コルトレーン、Netflixシリーズ「ソーシャルディスタンス」のヘレナ・ハワード、マーク・ミラー原作のスーパーヒーロードラマ「ジュビターズ・レガシー」で話題のエレナ・カンプーリスらが集結した。また、「トゥルーブラッド」シリーズのジョー・マンガニエロが、ラジオDJ役で脇を固める。