グッチ(GUCCI)は、ブランド創設100周年を記念したランウェイショーをアメリカ・ロサンゼルスで開催。「Gucci Love Parade」と題した2022年春夏コレクションは、ここ日本でもリアルタイムでライブストリーミングによって紹介された。テーマは「ロサンゼルス」。
グッチ創設100周年の特別な舞台に、クリエイティブ・ディレクター アレッサンドロ・ミケーレが選んだのはロサンゼルス。本拠地をイタリアに構えるグッチであるが、実はロサンゼルスは、アレッサンドロによっては縁のある土地。
彼の母が映画の制作会社で働いていたことから、幼い頃からハリウッドで生まれる映画に触れてきたアレッサンドロ。母が話してくれた夢のようなストーリーは、美しいものへの憧れや夢見ることの素晴らしさなど、彼のクリエーションの土台となり、今なおロサンゼルスはインスピレーションの源となっている。
グローマンズ・チャイニーズ・シアターや、スターの名前が刻まれたウォーク・オブ・フェイムがランウェイに様変わりし、ハリウッド大通りで夢のようなランウェイショーが開催された。
登場するのは、まるでプレミアに集うセレブリティや、映画の主人公を想起させる華やかなピースの数々。マリリン・モンロー、リタ・ヘイワース、ヴェニカ・レイク…など、コレクションノートに記された、往年のハリウッド俳優をも想起させる煌びやかなスタイルが散見される。
フェザーやプリーツ装飾で彩られたパーティードレスには、グローブやファーのストールを合わせて、ハリウッド女優のようにスタイリング。光沢のあるサテンや肌を透かせてみせるシースルー素材がドレスのラグジュアリーさを増してみせてくれる。
タキシードやスーツルックはアレッサンドロ流に着崩し。かっちりとしたショルダーラインや3ピースの着こなしで、クラシカルなスタイルを保持しながらも、シルエットや素材で遊びを加える。ウエスト位置まで大きくカットアウトしたベストや、ジップディテールを走らせたタイトパンツ、そしてアニメキャラクターのような蝶ネクタイが好例だ。
また、ドレス・スーツといった華やかなスタイルに交じって、個性豊かなアイテムが登場しているのも、多様性へのメッセージを綴ってきたアレッサンドロならでは。パームツリーや海をモチーフにした開襟シャツに見られる西海岸スタイルや、テンガロンハットを筆頭としたカウボーイルック、そしてネオンカラータイツのスポーツルックなどが共存している。
コレクション全体をみると、どのピースもスターのような輝きで個性的。カラーや素材、シルエットには遊び心たっぷりでありながらも、装飾や柄などは控えめになり、アレッサンドロのクリエーションに対する強い自信をも感じさせた。