展覧会「生誕110年 香月泰男展」が、東京の練馬区立美術館にて、2022年2月6日(日)から3月27日(日)まで開催される。
香月泰男は、太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いた「シベリア・シリーズ」により、戦後美術史に大きな足跡を残した洋画家だ。同作は、黒色と王土入りの重厚な絵肌を基調として、極限状態で感じた苦痛や郷愁、死者に対する鎮魂の思いを込めて描かれており、これによって香月は「シベリアの画家」としての評価を確立したのだった。
「シベリア・シリーズ」は一般に、応召から復員までの主題を、香月が体験した時系列順に並べて展示されてきた。そこでは、この作品が持つ戦争と翼竜の記念碑としての側面が強調されてきたといえる。しかし、実際の制作の順序は、主題の時系列とは大きく異なっている。
香月の回顧展「生誕110年 香月泰男展」では、「シベリア・シリーズ」の物語を解体し、ほかの作品とともに制作順に展示。ノスタルジックな画面を特徴とする初期の《釣り床》から、色数が徐々に絞られてきた1950年代の《山羊》、「シベリア・シリーズ」の《北へ西へ》や《ダモイ》、《青の太陽》、そして遺作となった《渚〈ナホトカ〉》など、初期から晩年までの作品を通して、香月の画業の全容をたどる。
展覧会「生誕110年 香月泰男展」
会期:2022年2月6日(日)〜3月27日(日) 会期中に展示替えあり
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(3月21日(月・祝)は開館)、3月22日(火)
観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生・65〜74歳 800円、中学生以下・75歳以上 無料
※その他各種割引制度あり
※一般以外(無料・割引対象者)は、年齢などを確認できるものを持参のこと
※リピーター割引:前期の観覧者は、展示替後の観覧料を300円割引
【問い合わせ先】
練馬区立美術館
TEL:03-3577-1821