展覧会「アペルト15 冨安由真」が、金沢21世紀美術館にて、2021年10月30日(土)から2022年3月21日(月・祝)まで開催される。
若手作家を中心に個展形式で紹介する「アペルト」シリーズ。第15弾となる今回は、近年は絵画という従来の表現媒体を拡張し、体験型のインスタレーションを発表している冨安由真を取り上げる。
冨安由真は、心霊現象や超常現象、夢の世界などを題材に、現実とも非現実とも判別しがたい幻想的な空間演出によるインスタレーション作品を数多く手がけている。鑑賞者の知覚や感覚に揺さぶりをかけるようなその作品世界は、視覚にとどまらず直感へと訴えかけ、ややもすれば忌避されてしまう不確かで不可視なものへと意識を促すのである。
展覧会「アペルト15 冨安由真」では、冨安が幼少期に見た夢に着想した新作のインスタレーションを展開。冨安の夢とは、廃墟のような小屋の壁面にポスターが貼られており、その絵を見ているうちに画中に入り込むという、世界の境界が曖昧化するものであった。本展では、この小屋を舞台に夢の空間を再現し、現実と虚構が交錯するような体験へと鑑賞者を誘う。
作品の舞台となる小屋の中には、絵画作品《The Pale Horse 蒼ざめた馬》を展示する。これは、『新約聖書』の「ヨハネの黙示録」における、「死」を象徴する騎士が乗る蒼ざめた馬に着想を得ている。インスタレーションでは、不可聴音でありながらも身体は感知するために不安感を引き起こすとされる19Hzの音を流し、動物でも霊でもない不気味な気配を漂わせる空間を構築する。
展覧会「アペルト15 冨安由真」
会期:2021年10月30日(土)〜2022年3月21日(月・祝)
会場:金沢21世紀美術館 長期インスタレーションルーム
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
開場時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
休場日:月曜日(11月1日(月)・22日(月)、1月3日(月)・10日(月・祝)、3月21日(月・祝)は開場)、11月24日(水)、12月29日(水)〜1月1日(土・祝)、1月4日(火)、1月11日(火)
料金:無料
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800