展覧会「生誕120年記念 荻須高徳展 ─私のパリ、パリの私─」が、愛知・稲沢市荻須記念美術館にて、2021年10月23日(土)から12月19日(日)の期間で開催。その後、2022年1月3日(月)から3月13日(日)の期間、広島・ひろしま美術館に巡回する。
荻須高徳は、1927年にフランスに渡り、第二次世界大戦中を除く50年以上、パリで活動した画家だ。展覧会「生誕120年記念 荻須高徳展 ─私のパリ、パリの私─」では、荻須が追求し続けたパリの街並みや、旅先のヨーロッパ各地の風景など、約70点の油彩作品から荻須の画風の変遷をたどる。
東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業した1927年、本場の油彩画を学ぶためにパリに渡った荻須は、パリの街絵を歩いて絵を描くなかで、建物の歴史の重層性や人びとの息遣いにふれ、それらに強く惹かれるようになる。個展の開催やパリ万国博覧会への出品など、画家としての足場を固めてゆくものの、1939年には第二次世界大戦が勃発、翌年にドイツ軍のフランス侵攻によりパリが陥落したため、荻須は帰国することとなる。
戦後、フランスの友人の尽力により、荻須は再びパリに渡る。戦後の美術界の主流は抽象画ではあったものの、具象画を手がけてきた荻須は自己の表現を大きく変えることはなかった。1956年にフランス政府からレジオン・ドヌール勲章を受章し、1978年にはパリ市主催で回顧展が開かれるなど、国際的な評価を受けるようになった。
本展では、パリ万国博覧会に出品された《ガラージュ》をはじめ、《ポスターの壁》や《金のかたつむり》など、荻須の情感あふれる油彩画を展示。さらに、1979年に中日新聞・東京新聞で連載され、1980年に発行された画文集『私のパリ、パリの私 荻須高徳の回想』に収録されたデッサンの一部も目にすることができる。
展覧会「生誕120年記念 荻須高徳展 ─私のパリ、パリの私─」
会期:2021年年10月23日(土)~12月19日(日) 月曜休館
会場:稲沢市荻須記念美術館
住所:愛知県稲沢市稲沢町前田365-8
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
入場料:一般 1,000円、高・大学生 800円、小・中学生 100円
※市内の小・中学生、障害者手帳・戦傷病者手帳・被爆者健康手帳保持者とその付添人1名は無料。
※会期、開館時間などは変更となる場合あり。
■過去開催・巡回情報
・ひろしま美術館
会期:2022年1月3日(月)~3月13日(日)
住所:広島県広島市中区基町3-2 中央公園内
・美術館「えき」KYOTO
会期:2021年9月10日(金)~10月17日(日)
住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接
【問い合わせ先】
TEL:075-352-1111 (大代表)