BiSやBiSHのアイドルプロデューサー、渡辺淳之介が手がけるネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)は、2022年春夏コレクションを2021年8月31日(火)渋谷ヒカリエで発表した。
ショー後のインタビューで「作りたかった洋服を作った」と話す今シーズンのテーマは「ベーシック コレクション(BASiC COLLECTiON)」。デザイナー渡辺と切っても切り離せない“音楽”をはじめ、彼自身のルーツに目を向けながら、毎日が楽しくなるような日常着=ベーシックウェアをデザインする。
印象的だったのは、モーツァルトやバッハ、ベートーヴェンといった音楽家たちのモチーフTシャツやスウェットだ。ピアノを嗜んできた渡辺は「音楽家のバンドTがあったなら…」とチャーミングな発想のもと“巨匠たち”のTシャツやスウェットをデザイン。
きっと誰もが音楽室や学校の教科書で一度は見たことのある、音楽家たちの肖像画をイラストタッチで描き、ロックバンドKISSの白塗り化粧(コープス・ペイント)さながらの大胆なメイクを施して、ポップにアップデートした。フェイスモチーフの下には「猛津アルト」「バツ葉」「米藤勉」と“当て字”で名前を記し、Tシャツやスウェットの前身頃に大胆にのせた。
合わせたジャケットやシャツ、ショートパンツは、どれも毎日使いしやすい気軽さを持ち合わせながらも、カラフルなチェック柄やジップのデコレーションなどをプラスして、パンキッシュにまとめている。
スマートに着たブラックジャケット&スリムパンツのセットアップも、レオパード柄を同色であしらって、パンキッシュな強さをプラス。ネグレクトアダルトペイシェンツのロゴは「NAP」「N」など様々な形になり、くるぶし位置や胸元、アームラインなどにあしらわれ、バンドグッズのような統一感を発揮する。
ネグレクトアダルトペイシェンツ“おなじみの”麺演出は、今季もカップ焼きそばで実施。ぷわ~と会場に広がる香ばしいソースの匂いとともに、焼きそばを頬張りながらモデルが闊歩する姿は“リアルショー”ならではの面白さがある。
今季は、ロックバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」のミュージックビデオをインスピレーションに光で会場を装飾。スクエア型に整えたランウェイに光を灯して、牢獄や檻を表現したという。なお、ランウェイにはBiSHのメンバーがモデルとして再登場し、今季もキャットウォークを披露した。