特別展「京都文化プロジェクト 誓願寺門前図屏風 修理完了記念 花ひらく町衆文化 ─近世京都のすがた」が、京都文化博物館にて、2021年6月5日(土)から7月25日(日)まで開催される。

江戸時代における京都の姿とは──

京都文化博物館が所蔵する岩佐又兵衛筆「誓願寺門前図屏風」は、国宝「洛中洛外図屏風」と共に、又兵衛筆の都市風俗を伝える絵画の重要な作例として知られている。同作の解体修理完了を記念して開催される本展では、この屏風を中心に絵画や資料を展示し、江戸時代において京都という都市がいかに表され、そこで人びとはどのように文化を紡いできたのかを考える。

近世都市・京都はいかに描かれたか

江戸時代、政治の拠点は幕府が置かれた江戸へ移り、商業・流通においては大坂が中心的役割を担った。一方で京都は、天皇や貴族らが依然として存在し、寺社勢力も顕在であった。こうした近世の京都は、屏風絵や絵巻、扇面、画帖などのさまざまな媒体で描かれることになる。第1章では、又兵衛筆の「誓願寺門前図屏風」をはじめ、江戸時代の京都がいかに描かれてきたのかを、絵画の数々を通して探る。

都市での生活

江戸時代の京都では、家持の商工業者や町人の共同体である「町」を基礎単位として都市生活が営まれていた。また、町人のなかには、家業が成功して有力大名にも劣らぬ富を持つものも存在した。第2章では、初公開となる「鴨川納涼図屏風」(京都府蔵(京都文化博物館管理))などを展示し、近世京都の町人の生活を紹介する。

幕末の京都──被災と復興

幕末、天皇が所在する京都は、政治都市としての性格を強調し、有力藩から尊王派の人物が集まった。政治的緊張が高まるなか、1864年には蛤御門の変と呼ばれる武力衝突が起こり、京都市中にも大火事が広がった。第3章では、蛤御門の変で罹災した磁器などの資料を展示し、戦災と明治に向けた京都の歩みを紹介する。

展覧会概要

特別展「京都文化プロジェクト 誓願寺門前図屏風 修理完了記念 花ひらく町衆文化 ─近世京都のすがた」
会期：2021年6月5日(土)〜7月25日(日)
会場：京都文化博物館 4階特別展示室
住所：京都市中京区三条高倉
休館日：月曜日
開室時間：10:00〜18:00(金曜日は19:30まで)
※入場は閉室30分前まで
入場料：一般・大高生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )は20名以上の団体料金
※上記料金で3階・2階展示、および3階フィルムシアターも観覧可(催事により有料の場合あり)
※障がい者手帳などの提示者と付添者1名は無料
※開催内容に変更が生じる場合あり

【問い合わせ先】
京都文化博物館
TEL：075-222-0888 (代表)