クロエ(Chloé)の2021年秋冬コレクションが発表された。
今シーズン、メゾンの舵を取るのは、新クリエイティブディレクターのガブリエラ・ハーストだ。ナターシャ・ラムゼイ=レヴィからバトンを受け継ぎ、彼女にとっての初コレクションを展開する。
ひと際目を惹いたのが、ウルグアイ出身という彼女のバックグラウンドを想起させるマルチストライプのニット。フリンジのついたニット&ダウンウェアをドッキングしたポンチョ“パフチョ”や、身体のラインにそっと寄り添うようなニットドレスのストライプ柄が、エキゾチックで温かみのあるムードを醸し出している。
自然からインスピレーションを得たディテールもポイント。ダウンジャケットのパッチワークやロングドレスにあしわられたグラフィカルな模様は、大理石をモチーフにしたもの。ガブリエラのホームタウンであるニューヨークの工芸技術から着想を得ている。セーターやスカーフに配したインターシャ編みのバタフライには、昆虫の集団絶滅に対して警鐘を鳴らすメッセージを込めた。
クロエ創業者ギャビー・アギョンの生誕100周年というアニバーサリーイヤーでもある今季。ガブリエラは創業者へオマージュも捧げている。レザードレスやジョーゼットブラウスに施したスカラップディテールがそれで、ギャビーが1960年のショーで発表したコットンピケドレスから着想した。
バッグは、ステッチが特徴的な「Edith」コレクションが主役。「Edith」は、ガブリエラが初めて手にしたラグジュアリーブランドのバッグであり、思い出の品だという。新作は「Edith」のディテールを忠実に再現しつつも、リサイクルカシミヤやリサイクルジャカードを採用してアップデートしたもの。ミニバッグやトートバッグ、ドクターズバッグなど、様々なシルエットで展開される。中には「Edith」のビンテージバッグに、コレクションで残った素材を装飾することで、アップサイクルしたものもある。