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映画『華麗なるギャツビー』バズ・ラーマン監督が語る製作秘話

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『華麗なるギャツビー』が2013年6月14日(金)に公開となる。

バズ・ラーマンとレオナルド・ディカプリオのタッグ

バズ・ラーマン インタビュー|写真3

主演は、「タイタニック」以来の純愛に生きる男を演じるレオナルド・ディカプリオ。バズ・ラーマン監督とはロミオ+ジュリエット以来の再タッグ。

F・スコット・フィッツジェラルドの小説「グレード・ギャツビー」を基に、独創性に溢れる脚本家・プロデューサー・監督を務めたバズ・ラーマンが独自の解釈と想像力で、監督初の3D映像で新たに蘇らせる。原作は今まで4回映像化されており、ロバート・レッドフォード主演で映画化された作品が有名。

日本公開を目前に『華麗なるギャツビー』世界展のためバズ・ラーマン監督が来日。4年ぶりの来日となる監督自身が、ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)とニック(トビー・マグワイア)が劇中で着用した衣装を携えて、キャストたちの撮影秘話や、映画を華麗に彩ったブランドとのコラボレーションの経緯などについて語った。

バズ・ラーマン インタビュー|写真9

映画について

日本でも原作はとても愛されてます

そうなんですよね。村上春樹さんが彼のウェブサイトで言っていたのですが、彼が作家になったのは「華麗なるギャツビー」のおかげだそうです。「あの本が偉大なのは、まさに今を生きる自分たちがそこにいるように感じるから」と村上春樹さんは言っていました。日本が経験したバブルがあったから、その感覚を理解できるというのです。

ディカプリオと私はその言葉に共鳴を受けました。

実は、スタジオ側は「華麗なるギャツビー」はアメリカ以外ではあまり知られていないという認識だったんですが、この映画のゴーサインを出すために、私たちは「そんなことはない。日本では村上春樹が『華麗なるギャツビー』を翻訳していて、日本で愛されているんだ。日本でもきっと見て貰える」と説得したんです。だから「ノー・春樹、ノー・ギャツビー」だと言えますよね。(笑)

バズ・ラーマン インタビュー|写真1

『華麗なるギャツビー』では、レオナルド・ディカプリオが、17年ぶりに監督の映画に出演しているのですが、彼の人間性やたたずまいなどにおいて、変わらず素晴らしい部分、それから進化しているなと感じる部分はありますか?

ディカプリオの変わったところ、変わらないところ、というのは今まで聞かれたことがないですね。興味深い質問だ。

『ロミオ+ジュリエット』で出会った時、彼は19歳で若くて本当に才能に恵まれた青年でした。今、彼は既に成熟した男性となりました。『華麗なるギャツビー』の撮影において、彼と私は対等に仕事のできるパートナーですね。

撮影スタジオのライティング・テント(台本などを執筆する場所)の中で、深夜の2時、3時まで起きて、私と一緒にセリフを直したり、キャラクターの詳細を練ったり……。強烈なパートナシップを組むことができています。以前は私から伝える感じでしたが、今は共に創り上げています。

バズ・ラーマン インタビュー|写真2

ギャツビーのスタイルも印象的でした。

先週末、友人のステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)マッカートニーに会って、そのとき彼女が言ってたいんですが、イギリスの彼女の家の近くにある映画館では、前から2列のお客さんは皆、ギャツビー・ファッションで観に来ているそうです。そういうコスチュームで観てくれる人がいるそうです。

先週末、ニューヨークで大きなジャジーなギャツビー・パーティをやったんですが、お客さんは20年代のファッションにジーンズなど現代的なアイテムをミックスして着飾りました。私もブルックスのトラウザーにTシャツを着て、このカンカン帽(と展示されている帽子を手に取って)をかぶったんです。

バズ・ラーマン インタビュー|写真11

数年前、原宿を歩いていたら、ストローハットをかぶっている人を沢山見ましたね。ニューヨークでも売り切れるくらい流行っていました。ちょっとこんな感じで斜めにかぶったりしてね。真剣にね、この帽子は映画のシンボルにもなっています。若い人はTシャツにジーンズに、この帽子をコーディネートしています。

だからこの映画は単なる映画じゃないんですよ。ポップカルチャーにも影響を及ぼしています。著者のフィッツジェラルドは、作品の中でポピュラーなジャズを入れています。だから私はジャズともうひとつの「J」であるJay-Zの音楽をブレンドしたわけです。当時と現代のブレンドをファッションでも音楽でも試みました。

村上春樹の話に戻ると、彼はフィッツジェラルドのギャツビーを「まるで現代の私たちだ」と言いましたね。だからこの映画もまさに「今」のことだと感じられるようにしたかったのです。先日、1925年の本を読んでいたら大恐慌が起きることを予言していたんですよ。この映画にも、過去を振り返って教訓を伝えて前に進みたいというメッセージ性もあると思います。

華麗なるギャツビーの展示について

展示について、ご挨拶感想をお聞かせください。

本当に美しい展示だと思います。伊勢丹はつい最近改装されましたよね。『華麗なるギャツビー』の「モダン・デコ」の世界観にとてもマッチしています。このふさわしい場所で、開催できることを嬉しく思います。実際にディカプリオが着た衣装や魅力的なジュエリーが展示されているんですが、後で失敬したいくらい素敵なジュエリーだなぁ。

衣装デザインを手がけた美術監督であり、私の妻でもあるキャサリン・マーティンは、日本に来たがっていましたが、ここには連れてこられません。買い物をし過ぎちゃいますからね(笑)。

バズ・ラーマン インタビュー|写真4

実際に衣装を見ると質感が素晴らしいことがわかるのですが、3Dではそういったところも楽しめそうですね。

普通とは全く違った方法で3Dを使用しています。そのインスピレーションはファッション。1960年代に作られたアルフレッド・ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ!』を見たんですが…。あれは3Dで撮られているんですよ。その映画の中で、3Dのグレース・ケリーがディオールを着て、ある部屋の中でのシーンを演じたんですが、今は亡きアイコンである彼女が動いている様子が、信じられないほど素敵だった。グレース・ケリーとその衣装は、自分の目を疑うほど綺麗でした。まるで彼女に自分の手で触れることができるかのような感覚……。

ディオールの服と3Dが影響していたんですね。

今回、私は、プラダ(PRADA)や私の妻がデザインした衣装、ティファニー(Tiffany & Co.)を3Dで見せたいと思いました。ミウッチャ・プラダが手がけた衣装とディカプリオで、3Dのイメージをテストしたんです。3Dにより衣装が強調されてビジュアルが強烈で詳細に渡って伝わるので、既に上映されているアメリカでは、何度も映画館に足を運んで繰り返し見る人がいるんですよ。

ますます3Dでみたくなりますね。

知っていますか? 今、3Dの眼鏡は作ることができるんですよ。伊勢丹がスペシャルでファッショナブルな3Dグラスを作ってくれないかな?

バズ・ラーマン インタビュー|写真6

素敵なスタイルですが、今日は何を着用されているのでしょうか?

聞いて下さって、ありがとうございます。昨晩、徹夜でシャツなど縫ってきました(笑)。さてそれが真実か、もしくはミウッチャ・プラダが全て提供してくれたか。

ミウッチャ・プラダはとても良い友人で、実は『ロミオ+ジュリエット』の初めのジャケットも作ってくれました。そして初めてその映画を観てくれたのも、彼女とその夫です。衣装でコラボレートした理由でもあります。私が着ているのは、全てプラダですよ。

私も自分のファッションスタイルがありますから、妻が着せるがままではありません。(笑)

そいえば、ブルックス ブラザーズもまた、素晴らしい衣装を提供してくれています。限定のコラボレーションコレクションを作っていますよね。私も昨晩行きましたが、プラダの青山のブティックに行けば、新しいフラッパー・ルックの展示を見ることができます。とても素晴らしくてセクシーですよ。

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