ファッションデザイナーのピエール・カルダン(Pierre Cardin)に密着したドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』が2020年10月2日(金)より全国公開。
98歳の今なお、ファッション界の第一戦で活躍し続ける“レジェンド”ピエール・カルダンを豪華なゲストたちのメッセージともに振り返る、ドキュメンタリー作品だ。
登場するのは、カルダンに才能を見出されデザインのキャリアをスタートさせたジャン=ポール・ゴルチエ、“黒人モデルの先駆者的存在”のナオミ・キャンベル、さらに、カルダンのデザインに惚れ込んだ日本人デザイナーの桂由美、森英恵、高田賢三など。
ファッション界の華やかなメンバーのインタビューをもとに、カルダンの人生をリアルに切り取るのは、監督・プロデューサーのP.デビッド・エバーソール、トッド・ヒューズだ。なんと彼らは、カルダンデザインの服や家具を収集する愛好家。カルダンへの造詣が深いP.デビッドとトッドのメッセージとともに、改めてデザイナー ピエール・カルダンの歴史を振り返る。
ファッションの伝道師、ファッションを民主化させた天才デザイナー…など、華々しい功績と革新的なビジネスキャリアから、さまざまな言葉で形容されるピエール・カルダン。カルダンがファッションデザイナーとして本格的なキャリアをスタートさせた1950年代前後を比較し、“モード界の革命児”が起こしたファッションの変革を振り返る。
・オートクチュール全盛期
新作を買うのは富裕層に絞られていて、自分のサイズにあったオーダーメイドが当たり前。ファッション=裕福で恵まれた人の娯楽と、ファッション界は閉鎖的だった。
・男性ファッション=スーツ
紳士服といえば、クラシックなスーツ一辺倒。男性には、わずかの選択肢しか与えられていなかった。
・欧州 対 他国で広がるファッション格差
オートクチュール全盛期だった欧州に対して、日本、ソビエト連邦、中南米などは、なかなかファッション文化が根付かなかった“ファッション後進国”。人民服を着ていた中国はファッションの自由すらなかった。
■プレタポルテ本格参入
「ファッションは皆のもの」とメッセージを掲げ、ピエール・カルダンが、業界で初めてプレタポルテの本格参入をスタート。パリの百貨店プランタンに新作を並べ、一般の人も購入できるようにした。
監督コメント:
「ピエール・カルダンが一般の人々にファッションをもたらしたとき、“誰もが美しく、そして服を通して自己表現する価値がある”と宣言したのです。ファッションが一部の裕福で恵まれた人だけのものではなく、皆のものになることを意味していたと思います。」
■世界初のメンズコレクションを発表
250人ものモデルを起用して、世界初のメンズコレクションを発表。メンズファッションの先駆け的存在として、男性モードの世界に進出する。特に、ピエール・カルダンが提案した「襟なしジャケット」は注目を浴び、世界的スター「ビートルズ」が着用したことでも話題となる。
監督コメント:
「カルダンは早くから男性のフォルムの美しさを知っており、男性を”セクシー”に見せる服を作り始めました。カルダンのビジョンは今や当たり前のものとなり、世界中でメンズファッションは主要な産業に成長しています。」
・世界110カ国に進出
ファッション後進国を含む世界110カ国に進出し、ファッションの楽しさを伝える。ロシア・中国といった社会主義国家で世界初のランウェイショーを行ったのも、カルダンの功績。
監督コメント:
「カルダンにとってファッションは国際的なものでした。中国やロシアなど社会主義国にファッションを紹介したことは、遠くない将来に世界が今日のようになることを予期していたのだと思います。」