グザヴィエ・ドラン監督による映画『マティアス&マキシム』が、2020年9月25日(金)より公開される。
たった一度の偶然のキスーー。『マティアス&マキシム』は、これまで“母と子”というテーマを一貫して描き続けてきたドランが、“友情と恋”に揺れる2人の青年に焦点を当てた青春ラブストーリーだ。物語の着想源となったのは、1980年代のイタリアを舞台に、二人の青年の恋を描いた映画『君の名前で僕を呼んで』。
「しばらく動けないほどの衝撃だった。恋についての真実を審美的な映画で見ることはなんて感動的なんだろう。僕は自分が20代の頃のことを思い出した」と語るドランは、現代を生きる2人の青年“マティアスとマキシム”の物語を誕生させた。
溢れ出る愛おしさ、触れたい衝動、相手を追いかける眼差しといった、誰かを好きになることの切なさと喜びを美しい映像と共に映し出していく。
マティアスとマキシムは30歳で幼馴染。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしま ことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。
また本作は、初期のドラン作品『わたしはロランス』『Mommy/マミー』の原点回帰ともいえる、繊細な心理描写や余韻を残す台詞が起用されているのも印象的。第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された際には、「帰ってきたドラン!キャリア史上最も官能的で美しい。」「心の底から共感」「とにかくストレートで心に響く。」「成熟したドランに魅了される」と各メディアから称賛の声が寄せられた。
さらに故郷モントリオールで親しい仲間たちと共に制作したという『マティアス&マキシム』には、ドラン自身、『トム・アット・ザ・ファーム』以来6年ぶりに役者としても自身作品に出演。映画内容に関しては、以下の通りコメントを残している。
「30歳のマティアスとマキシムは、5歳の頃からの親友であり兄弟のような関係。でも、それまでの彼らの関係や強い絆が変わろうとしている、それこそがこの映画のテーマです。それまで互いに恋心は抱いていなかったものの、偶然のキスをきっかけに、相手を愛しているかもしれないという感情に襲われ、戸惑う。そんな友情と恋の狭間で揺れる二人の青年を描きたかった。それから、これはホモセクシャリティがテーマの映画ではありません。これは普遍的なラブストーリー。性別にかかわらず、恋と友情の狭間で揺れる感情っていうのは、誰もが一度は経験したことがある感情だと思う。」
映画『マティアス&マキシム』
公開日:2020年9月25日(金)
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、and アンヌ・ドルヴァル
提供・配給:ファントム・フィルム