ミントデザインズ(mintdesigns)の2020年秋冬コレクションが発表された。
今季のテーマは、“Route88”。ロンドンを南北に走る、ダブルデッカーバスの路線88番だ。そこに乗りあうさまざまな職業の人びとの着こなしのイメージを、ディテールやシルエットへと落とし込むことで、どこかクラシックでモダンな雰囲気漂うスタイルを披露した。
バスのテーマを大胆に取り入れたのが、バスマップをモチーフにしたプリントだ。ドレープの豊かなワンピースや、スエード生地をサイドに組み合わせたプリーツスカートをはじめ、多彩なウェアに用いた。ワンピースに合わせたステンカラーコートは、細かな千鳥柄。ブラウンを基調としつつも部分的にブリーチ加工を施すことで、ベージュの軽やかな雰囲気を添えている。
また、クラシカルなイメージの強いイングリッシュローズのレースは、ブルーやグリーン、そしてピンクなど、鮮やかなカラーを施したニードルパンチに。ショート丈のブルゾンや、トップにクルーネックを組み合わせたワンピースなどに用いることで、クラシカルさを払拭するストリート感あるスタイルへと昇華した。
バスの車掌が着ている制服をイメージしたジャケットも。ややドロップショルダー気味に仕立てたジャケットは、各所に配したボタンによってダブルブレスト風にも着ることができたりと、程よくかっちり、そして程よく遊びの効いた1着に仕上げている。また、襟にはロンドン交通局のロゴをモチーフにしたバッチをつけて。中に合わせたブラウスは、光沢感のある布地の上に、“紙を破いて散りばめた”様子に着想を得たパターンをあしらったものだ。
メンズウェアからインスパイアされた要素も見逃せない。テープで寄せることでしなやかにドレープを作るスカートやワンピースは、通常裏地として使われるキュプラポリエステルを採用したもの。独特の光沢感と流れるような布の動き、そして小さなドット模様やストライプで、存在感あるアイテムに仕上げた。
この「裏を表に」というアイディアは、ディテールにも。バスマップモチーフのワンピースを組み合わせたロングコートは、タックを表に出してアクセントに。ブラウンのコートのクラシック感に、生地の大胆な切り替えや細部で楽しげな遊びを効かせている。
また今季は、メンズ主体のウェアを増量。ハリのあるコットンでゆったりとしたシルエットに仕立てたポンチョは、フロントやスリーブにシャツの要素を取り入れて。斜めに配したボタンや、裾にあしらったドローコートにより、さまざまな着方を楽しめる1着となっている。