クリスチャン ワイナンツ(christian wijnants) 2020年秋冬コレクションが、2020年2月28日(金)フランス・パリで発表された。
その上質な素材と色使いで人気を誇るニットウェアを中心に展開された今季。ワントーンを基調としながらも、編み模様の切り替えや、肩から胸元にかけてアシンメトリーに重ねた共布によって、モダンな雰囲気を演出しているのが特徴だ。
中でも印象的だったのは、日本の伝統衣装・着物の“帯”を連想させるデザイン。ゆったりとドレープを描くエレガントなニットドレスには、ウエストから背後へとその独特なモチーフが流れていく。帯がほどけてしまったかのようなその姿に、私たち日本人は一種のセンシュアリティを感じるかもしれない。
ブランドの得意とするグラフィック柄も、ニットのセットアップで提案。キャンバスに見立てたアイボリーのセーター×スカートには、立体的なジグザグ模様があしらわれている。そしてそのラインの延長先上には、フリンジ状のストラップをオン。まるでジグザグ模様が、裾から“飛び出してしまった”かのようなユニークな表情が面白い。
こうしたグラフィックへのアプローチは、布地やニットの上だけでなく、複数のストラップを重ね合わせたドレスからも見て取れた。網目状のドレスに繋がれたそれらのストラップは、モデルが歩く度にユラユラと揺れ、一瞬一瞬に異なるグラフィカルな模様をみることができるのだ。
パレットは、ブラック、ホワイト、ペールピンク、淡いブルーといった落ち着いた色彩に、ネオンオレンジ、ミントグリーン、鮮やかなブルーをアクセントに投じて。コレクションの中では、こうしたプレーンカラーのピースみならず、グラフィカル模様のピースも、同柄でスタイリングされていた。