ミッソーニ(Missoni)の2020年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年2月22日(土)、イタリア・ミラノで発表された。メンズとの合同ショー形式である。
今シーズン、ミッソーニのインスピレーション源になったのはエドウィン・アボット・アボットによる1884年の小説『フラットランド たくさんの次元のものがたり』。二次元=平面世界に住む「正方形」を主人公にした不思議なストーリーで、次元の本質を捉えた歴史的な名作である。
ミッソーニの最新コレクションは、この物語から連想される幾何学模様に溢れている。ファーストルックは主役の「正方形」を彷彿とさせるスクエア柄のガウンコートから。ジクザク模様をパッチワーク風に張り合わせたようなワイドパンツやストライプ地のオールインワンなどが、コレクションをグラフィカルに彩る。
これほどまでに多くの模様が混在しながらも1つのコレクションとして纏まりを感じさせるのは、これまでもジオメトリックなパターンを駆使してきたミッソーニだからこそ成せる技だろう。
ブランドのシグネチャーであるニットは、ボディラインにゆるやかに寄り添うロンパースや、深いスリット入ったセンシュアルなキャミソールドレス、生地をたっぷりと使ったガウンコートなど。モダンな幾何学模様を主役としたコレクションを、編み地だからこそ表現できる柔らかなムードで、ミッソーニらしいクリエーションに昇華している。
カラーリングは、ブラウンやネイビーなどのダークトーンに、鮮烈なレッドやブルー、パープルなどを織り混ぜて。不可思議な物語の中に迷い込んだかのような、ミステリアスなムードを作り出している。