ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA) 2020-21年秋冬ウィメンズコレクションが、2020年2月22日(土)、イタリア・ミラノで発表された。メンズとの合同ショー形式である。
ミラノの最注目ブランドの1つになっているダニエル・リー率いるボッテガ・ヴェネタは、3シーズン目を迎える今回も、これまで通りブランドの歴史やアイコンモチーフに現代的な解釈を加えるというクリエーションの姿勢を変わらずに継続。しかし、“静”の要素が強い構築的なデザインが主流だった前回までの2シーズンと比べて、“動”の要素を含んだややソフトで遊び心に富んだアプローチを行っているように感じられる。
今季のシグネチャーディテールであるフリンジはその好例と言ってよいだろう。ブランドを象徴するイントレチャートのクラッチバッグに注目すると、編みかけ途中のレザーを垂らすことでフリンジのディテールを作り上げている。フリンジはボアコートやニットドレスなどにあしらわれており、歩くたびにダイナミックに揺れて、ルックに躍動感をもたらす。
コレクションに柔らかな空気を運んでくるのは、レザーではなくニットによる編み込み。踊っている人のシルエットを編み地で表現したニットカーディガンやロングドレスは、ボディにそっと寄り添うようなフォルムで、シュールなユーモアとエフォートレスな雰囲気を醸し出す。
カラーパレットはブラックなどのダークトーンを基調に、鮮やかなレッドの“スカーレット”、ネオンピンクの“ロリポップ”、ネオングリーンの“キウイ”、ブラウンの“チョコレート”を効かせて。そこに眩いばかりに煌くシークインなどの装飾を散りばめたドレスやパンツで、アクセントを加えている。