トッズ(TOD'S)は、2020-21年秋冬メンズコレクションを発表。
クリエイティブ・ディレクターのヴァルター・キアッポーニにとってデビューコレクションとなる今季のトッズは、ブランドの原点へと立ち戻り、実用主義にノーブルな反骨精神をミックスさせる。
描き出すのは、オーセンティックなアイテムを身に着けていながらも、アヴァンギャルドな魅力にあふれた男性のイメージ。伝統的な素材であるクロスやコットンをはじめ、キッドモヘア、レザー、テクニカルナイロンなどを採用した、クラフツマンシップの光るアイテムの数々が揃う。
ベージュのトレンチコートは襟や袖にレザーのパーツを配し、アクティブさをプラス。鮮やかなインディゴブルーのデニムパンツと組み合わせ、躍動感のある装いを形作る。艶やかなブラウンレザーのジャケットやカーキのブルゾンは、裾にリブを配したコンパクトな仕立てで、軽やかな雰囲気を演出する。
注目したいのは、端正なシルエットだ。キャメルやスモーキーなブラウンのチェスターコートは、身体に沿うようなフォルムを描き、自然体でリュクスなムードに。チャコールグレーのセットアップや、ブラックのダブルジャケット、グレーのセンタープレスパンツといったウェアもまた、優雅さを保ちつつコンフォートな佇まいを見せる。
ムートンやシアリングのジャケットは、素材の分量感と仕立ての絶妙なバランス感で洗練された印象を描き出す。グレーのニット、パンツに重ねたムートンジャケットは、ダイナミックな襟の造形と、前を開けて着た時の立体感が印象的。柔らかなシアリングのシャツジャケットは、ポケットや合わせの部分を滑らかなレザーで切り替えることで、シャープなアクセントを加えた。
ピークドラペルのディナージャケットは、オールブラックで統一したデザインと、白黒のバイカラーを採用したモデルが登場。いずれも袖口を折り返して着ることでわずかなラフさを見せ、フォーマルさに遊び心を効かせている。
カジュアルに足元を飾るのは、スエードやカーフスキン、シープスキンなどで仕立てたブーツ型ドライビングシューズ「ウィンター ゴンミーニ」。温かみのある表情豊かな風合いが魅力だ。また、厚みのあるラバーソールを配したローファーや、ヴィンテージ スタイルのスニーカーなども登場。アーカイブから見出された「T タイムレス」は、ローファーのエナメルバックルやレザーバッグの留め具として、象徴的に用いられた。