フェンディ(FENDI)の2020-21年秋冬メンズコレクションが、2020年1月13日(月)イタリア・ミラノで発表された。
テーマは「フェンディ流古典主義(FENDI-fied classicism)」。トラディショナルなジャケットコーディネートをベースに、斬新な遊び心を取り入れて、目新しくフレッシュなスタイルへと昇華させた今季のフェンディ。提案するのは、新たなに再考された新しいノーマルだ。
メルトンウール、フロック加工のデニム地、コーデュロイ スウェードなどのテキスタイルを使用して、確かな技術でシングルジャケット、ダブルブレストジャケットを仕立てる。
シルエットは、身幅をゆったりととり軽やかで、中には、胸下でカットオフして、クロップド丈にしたものも。
ブラック、グレー、ベージュなど落ち着きのあるカラーにこだわりながらも、トーンオントーンのテープで縁取ったり、マルチポケット、カードホルダー、イヤホンなど小物を収納できるスペースを施したりして、品格あるジャケットの中に機能性をプラスしている。
マットサテンがあしらわれたブレザーやコートには、インサイドアウト構造を忍ばせて。ボディ中央から異素材をかませたハイブリッドなジャケットは、この異素材部分を取りはずことができ、ランウェイでは片方だけ羽根のように広げて着こなしていた。
ボトムスは、程よくルーズで、リラックスして着こなすのが特徴。ルーズソックスのようにずるずるとさせたレザーパンツも、ロングブーツできゅっと引き締めてコーディネートしている。
スカートのようなボトムスも象徴的だった。足入れ部分はきちんとあるのだが、後ろからみるとロングスカートや膝丈スカートを想起させるシルエットで、歩みに合わせてたなびき優雅である。
また、アイコニックなフェンディのFF ロゴは、動物柄のチェーンリンクとして再解釈。グラフィックモチーフをプリントやインターシャなどに落とし込んで、プレイフルな要素をプラスした。
ポイントで差し込まれたのは、フェンディイエロー。“まさにフェンディのショッパー!”というユニークなデザインのイエローレザー製のショッピングバッグや、フェンディのヴィンテージ パッケージにインスパイアされたチャームなどがランウェイへ。1800年代ののトランクにインスパイアされた「トラベル ピーカブー」がフェンディのラインナップに今季から加わっている。
同時に、厚底ソールシューズ&バケットハットのコンビネーションも、ポップな刺激をもたらしていた。
日本人にとってうれしいニュースは、アンリアレイジ(ANREALAGE)とのコラボレーションだ。ショー終盤、ランウェイに無造作に置かれたライトに光が灯され、パフィーなコートを纏ったモデルが立つと、ホワイトタイガーのキルティングがイエローに輝き、ホワイトダイアモンドのキルティングからは、フェンディの新コードがブラックで浮かび上がった。
これは、太陽光で色が変わる特殊な成分を入れた糸を織り込み仕上げた、新しいポリエステル素材製。フェンディとのコラボレーションの為に、イエローなど優しいカラーの素材を作り出し、全50ものアイテムを作り出したという。なおランウェイでは、4ルックが披露されている。