サイレント映画時代の“ライブ”の楽しさを求める気持ちが現代にも受け継がれている。
もちろん今は、1人でじっくり見たいから、TV、スマートフォン、パソコン画面で見る選択ができる。でも、一方で「応援上映」のようにみんなで一緒に盛り上がりたい、という心理もある。現代は、その両方を選択できる、選択肢が増えただけです。
今は音響設備も良くなりましたし、スクリーンそのものも大きくなりました。だから今もたくさんの人が映画館に足を運んでいる。結局、映画館が持っている楽しさは、本質的には変わっていないのではないか、と考えています。
僕はというと、若い頃は、映画館に入って人が全然いないと、すごく嬉しくて(笑)。「いやー、ゆっくり楽しめるぞ!」と。
人がいなくて寂しいと思うようになったのは、映画監督になってからですね(笑)。とは言え、皆で見る楽しさは、皆がどこかに持っている喜びだと思いますよ。僕は、しばらくの間は、映画館は無くならないと思います。
一流の活動弁士を夢見る青年・俊太郎は、小さな町の映画館「靑木館」に流れつく。隣町のライバル映画館に客も、人材も取られて閑古鳥の鳴く靑木館に残ったのは、「人使いの荒い館主夫婦」、「傲慢で自信過剰な弁士」、「酔っぱらってばかりの弁士」、「気難しい職人気質な映写技師」と曲者揃い。雑用ばかり任される俊太郎の前に突如現る大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察、そして幼なじみの初恋相手!俊太郎の夢、恋、青春の行方は・・・!俊太郎の活弁がうなるとき、世紀のエンターテイナーの物語がはじまる。
映画『カツベン!』
公開日:2019年12月13(金)全国ロードショー
監督:周防正行
脚本・監督補:片島章三
出演:成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹中直人、渡辺えり、小日向文世、竹野内豊
エンディング曲:奥田民生