BiSやBiSHのアイドルプロデューサー、渡辺淳之介が手掛けるネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)、Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S2日目となる2019年10月15日(火)に2020年春夏コレクションを発表した。
「ティーンエイジドリーマーズ(tEEnAgE DrEAmErs)」というテーマの通り、今シーズンは渡辺淳之介の10代の頃に憧れた音楽、ファッションなど全てを詰め込んだコレクション。“男子校出身で彼女が欲しかった、異性とイチャイチャしたかった…”そんな少年のピュアな憧れも、ペアルックの提案やカップルでのウォーキングなどでチャーミングに表現している。
新作ピースと言いながらもどれも“どこかで見た見かけたことがある”ような馴染みのあるスタイルだ。ビッグサイズのチェックシャツにホワイトのワイドパンツ、イエローのチーフを身に着けた男性は、まさに池袋ウエストゲートパークのキングの姿そのもの。
“連れの”女の子もパンチの効いた濃いメイクにバンダナを巻いたロングヘア。お尻も太ももも露わにしたマイクロミニスカートにブラックのジャケットは、間違いなく“ジェシー”を再現しているようだ。
今季は、中学・高校時代の渡辺青年に影響を与えたカルチャーをこういった形でコミカルに模倣した。そのファッションに憧れ、その音楽に酔いしれたカート・コバーン、マルコム・マクラーレン…彼らのエッセンスもふんだんに取り入れられている。
そして渡辺青年がもう一つ憧れたのは、ヤンキー。やんちゃな悪になりたいのになりきれなかった…そんな心残りをヤンキールックで形にした。上下ジャージのスタイルや、アニマル柄のスウェットセットアップなど、地元にたまるヤンキーを想起させるウェアが展開される。ショーの最中には、地べたに座って食事する姿も。今季食べたのは、流しソーメンだった!
ヤンキーが好むもの…とアイデアを膨らませたのは、漢字のモチーフだ。カート、マチルダ…など憧れの人の名を漢字で当て字にして、ジャケットのバックスタイルや、ジャージのサイドラインなど、あらゆるところにあしらった。
飛び抜けて印象的なのは、レーザーの演出だ。オーロラのように輝きゆらめくレーザーは、デザイナー本人が歌ったという音色にあわせて色とりどりに変わり、リズムに合わせて動き出す。モデルが通ると洋服に当たって、流れ星のようにキラキラと輝くときもあった。
このレーザー演出には、登場しているものは80~90年代のものでも、発表しているのは約40年後の現代だよ、とメッセージを込めたものだという。
今季も仲間たちとコラボレーションを行い、丹野真人によるTシャツレーベルタンタン(TANGTANG)や、日本のハットメーカーカシラ(CA4LA)コラボレーションピースを展開。オタク文化などをモチーフに描くJUN INAGAWAのイラストもウェアに登場している。