2012年10月16日(火)、ノゾミ イシグロ タンバリン(NOZOMI ISHIGURO tambourine)が2013年春夏コレクションを発表した。テーマはニューヨークのパンクロックバンド、Taking heads(トーキング ヘッズ)の曲「Psycho Killer」。交際している彼女のおしゃべりにうんざりしてPsycho Killer(猟奇殺人犯)になりそうだ!と精神的にまいった男性の心理状態を描いた曲だ。
そして彼らの伝説的ライブ映画「ストップ・メイキング・センス」の冒頭で演奏された2曲に沿って、ショーは2部構成で展開。前半では「Psycho Killer」そのままに、思いつくままに書きなぐったような柄や、ブラックやグレーといったカラーで屈折した心を反映している。後半では、“みんなが行きたがれば、そこが天国という名のバーなんだ”と歌われた「Heaven」をイメージし、フリルや花柄、パステルカラーなど楽しげな印象へとがらりと転換した。
普段着のベースになるトレーナーを切り裂いて装飾的したり、逆にチュールをレースとして使ったりと、素材の使い方が今回の大きなポイント。そのだらりと垂れたスウェットデザインについて石黒は、「トイレでズボンをおろしたときのだぼっとしたシルエットとか、途中な感じが好きなんですよね。なので、完全を目指したというよりも(いいなと思って)途中でやめちゃった感じかな」と語った。
エレガンスとカジュアルな要素がミックスされた第2部のメンズは特に見どころだ。鮮やかなフラワープリントとストライプ柄が配置され華やかな印象でありながら、サルエルパンツやフーディといったカジュアルなアイテムでハズしを効かせていた。