ディースクエアード(DSQUARED2)は、2020年春夏ウィメンズコレクションを、イタリア・ミラノで2019年6月16日(日)に発表した。今季も、ウィメンズ&メンズの合同ショー形式での発表。
インスピレーション源となったのは、ハリウッド映画や70年代香港シネマ。香港のネオンサインやムービースターの輝きを投影したウェアの数々は、ポップカルチャーの中で闘志を燃やすファイターズのごとく、エネルギーに満ち溢れている。
ウィメンズのルックにおいても、メンズと共通して、オリエンタルな表現が散見された。例えば、金、白、黒、赤といった色彩で花模様をキルティングしたレザーのミニドレスやパンツは、漆塗りや反物のような華やかさを演出。和服のように直線的なパターンメイキングで仕立てられたボンバージャケットは羽織ると丸みを帯びたシルエットとなり、抜き衿のような形に。緩やかなドレープパンツに帯のようなコルセットを組み合わせ、戦士のユニフォームを思わせる、緩急のはっきりとしたスタイリングに仕上げている。
また、チャイナ風に結んだ紐を配したバッグや、鼻緒を配したピンヒールなど、小物のディテールにも東洋的な表現が施されている。
シャイニーなゴールドのウェアに、ハトメ、ファスナーを多用した金属的なデザインは、力強いインパクトを残していく。ゴールドで全て統一したジャンプスーツには、前身頃を縦断するように2本ファスナーが施されており、開閉することでタイトにしたり、うねりを作ったり、変形させることができる。
繁る薮の中にいる虎を描いたジャケットとハイウエストのパンツのセットアップもまた、ゴールドのグリッターによってパワフルな表情に。ハイウエストのパンツは、ふくらはぎにかけてのテーパードによって腰回りのボリューム感を際立たせ、メリハリのあるシルエットに仕立てている。
極端に丈の短いショートパンツや、華奢なタンクトップやキャミソール、フリルギャザーのキャミソールドレスといった、フェミニンさを強調した形のウェアも特徴の1つ。花や孔雀などを描いた複数の和柄をコラージュし、ギャザーとフリルで装飾したキャミソールドレスは、アシンメトリーに重ねられたラッフルがふんわりと空気を孕み、ファビュラスな空気感を放っている。1つ1つ異なる柄同士が呼応し、まるで交ざり合っているかのごとく統一感を感じさせる点も印象的だ。
ショーのラストを飾ったルックは、色鮮やかな着物を羽織って登場。よく見ると裏面にキルティングが施されており、着物とは異なるコートの分量感であることに気が付く。中には、ブルース・リーのシンボリックなプリントTシャツ、和柄の虎を描いたペプラム、ダメージデニムのスキニーパンツをコーディネート。アイキャッチな要素が盛り沢山だが、アウターとなる着物と、中に着たウェアのフォルムや色彩のコントラストによって、鮮やかなバランスを見せている。