サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は、2020年春夏メンズコレクションを発表した。
ブランドのルーツである、イタリア・フィレンツェにて発表された今シーズンのコレクションテーマは“HOMECOMING”。芸術的で知的な伝統や、街中の工場や職人、ブランドによって最近修復されたネプチューンの噴水といった、フィレンツェの街に根付いた様々な要素からは、壮麗な過去の蓄積と、驚くほどのモダンさが感じられる。披露されたコレクションもまた、土地に呼応するかのように、伝統と新しさの二面性を提示した。
見えてくるのは活動的なスタイル。ベージュのブルゾンとショートパンツに、白の開襟シャツを合わせたスタイリングは、上品ながらもアクティブな紳士像を演出し、ラフに着用したカーキやアイボリー、バーガンディのジャンプスーツは、無骨なワークウェアを彷彿させる。
また、明るいライトグリーンのセットアップは、緩やかなシルエットと布地のシワ感がエフォートレスで洗練されたムードを描き出す。軽やかなステンカラーコートや、スポーティーなフーディーには、鮮やかなオレンジを採用。ブライトなカラーリングが、春夏の明るい空気感の中に映える、快活さを見せる。
さらに目に留まるのは、ナッパレザーを合わせたコットンジャージー、テクニカルリネンのギャバジン、耐久性のあるコットンナイロン、ウールモヘア、鹿革にスエードのカーフスキン、といった上質な素材。ノースリーブニットに組み合わせたベストや、ジャストなサイジングのパンツ、もしくはアクティブなブルゾンに組み合わせたショートパンツなどには、艶やかなレザーを採用し、軽快な春夏の装いに、落ち着きのある品格を添える。
アクティブさはシューズからも見て取れた。ソールが前後に分かれたプラットフォームのエスパドリーユや、1951年の「キモ」から着想を得た、取り外し可能なスエードのサンダルブーツ、手作業で作られた、レザーとラバーのスニーカーなど、いずれも活動的ながらも、クラフトの痕跡を感じさせる表情豊かな仕上がりとなっている。
バッグやレザーグッズは、シンプルで実用的ながらもラグジュアリーなデザインが特徴的。大ぶりなボストンバッグや、カジュアルに使えるショルダーバッグ、身軽に肩にかけられるワンショルダーバッグなどを揃える。