国際的な現代美術のイベントが開かれるなど、香港でアートが盛り上がりを見せている。新名所となるアートスポットも次々に香港に誕生しており、2018年に歴史的建造物をリノベーションした施設「大館(タイクン)」をはじめ、2014年開業の「PMQ」、2020年にオープンする世界最大規模の視覚美術館「M+」、2019年1月からスタートした「戯曲センター」など、旅行中にぜひ訪れたい文化的な新スポットが目白押しだ。
舞台芸術、美術、歴史・伝統など、多彩な香港カルチャーを体感できる、観光で要チェックなアートの拠点を紹介する。
2018年5月下旬にオープンした「大館(タイクン)」は、セントラル警察署群をリノベーションした新たな文化施設。歴史、芸術を体験できる場であり、現代美術、舞台芸術、歴史について学んだり鑑賞したりすることができる。オールド・タウン・セントラルの香取慎吾のストリートアートから歩いてほど近くの場所に位置しているため、1日のスケジュールで、無理のない行き方でアートスポットをまわることが可能だ。
いくつもの建物から成る「大館(タイクン)」では、元々あった監獄や裁判所の構造を残し、香港の警察署が辿ってきた歴史を目の当たりにすることができる。特に、狭いスペースに区切られた監獄は、臨場感に溢れた雰囲気となっている。一方、各所にショップやレストランなども展開されている。
また、「大館(タイクン)」には美術館「大館當代美術館」もオープン。館内展示室では、作品展示、映像などを織り交ぜた企画展が行われる。
美術館内の階段は螺旋状になっており、上から見ると芸術的なうずまきの形に見える。フォトスポットの1つとして、写真撮影を楽しむ人で賑わっている。また、陽の光が差し込む開放的なライブラリースペースや、食べ放題でオーセンティックな江南料理を楽しめるレストラン「Old Bailey 奥卑利」も美術館内に位置している。
中環の「PMQ」は、クリエイターやデザイナーが集まる複合施設。警察官向け宿舎をリノベーションし、かつての居住部分には、デザインスタジオ、ショップ、ユニークなビジネスの事務所、デザイナーの臨時宿泊施設などを揃える。100点近くに上るデザイナーやクリエイターのショップでは、日用品やアクセサリーなどを販売。2019年3月末時点では、中庭に巨大なKAWSのスカルプチャーが立っていた。
2020年にオープンを控えている世界最大規模の視覚文化美術館「M+」。現代のヴィジュアルカルチャーを世界的に牽引する拠点となることを目指す新美術館だ。
「M+(エム・プラス)」に先行して2016年よりオープンしている「M+ パビリオン(M+ Pavilion)」では、視覚芸術・デザイン・建築・映像に関する展示が行われており、例えばイサム・ノグチをテーマにした展覧会も開催されている。