今季で10周年を迎えるY-3(ワイ・スリー)の2013年春夏コレクション。過去と未来を融合させることで、ビビッドかつ未来的な解釈のスポーツスタイルを提案した。
「未来に向かうには過去を振り返る」という姿勢で、鮮やかなプリントやボリュームのあるシルエット、3本線のマークなどブランドのアイコン的要素を数多く取り入れたのがコレクションの特徴。クリエイティブディレクターの山本耀司はコレクションについて、「私は今も昔もスポーツウエアをエレガントでシックに作り上げたいと思っています。今までワイ・スリーでは見た事のないようなものを生み出してきました。しかし10年たった今、再びこの3本線のロゴと恋に落ちたのです」 と語る。
レディスでは、クラシックで洗練されたルックを打ち出した。全体的にフェミニンなシルエットが強調され、半袖のトレンチコートやパイル地のブレザーなどのアイテムは女性の持つエレガンスを引き立てる。メンズは、イージーパーカーやリネンのブレザーで軽快で脱構築的なスタイルに仕上げた。トップスに配した、白と黒がコントラストを織り成すパターンは、お馴染みの3本線のロゴをアレンジしたもの。
原点回帰をめざしてグラフィック プリントには、デビュー コレクションのハイビスカス プリントを復活。新たに「feather(羽)」、「water(水)」、「thorn(棘)」というオレンジやピンクなどの鮮やかな色味の3つのプリントも生み出され、パーカーからキャップに至るまであらゆるアイテムに使われた。
山本耀司の理知的なデザインとアディダスのブランドとしての絶対的な権威で成功を収めてきたワイ・スリー。ブランドのアーカイブを取り入れたコレクションでも、新鮮味と今後のさらなる進化への期待を感じさせた。