ダイエットブッチャースリムスキン(DIET BUTCHER SLIM SKIN)は、2019年春夏コレクションを発表。

“禁断の果実”

“Forbidden Fruit”＝「禁断の果実」をテーマにした今季は、ダークな妖しさが漂う夢幻の世界を見せた。じんわりと暑い夏の夜、誘惑の象徴として目の前に現れる甘美な果実を齧るとともにあふれ出る罪悪感と幸福感。歪んでいながらも美しい、繊細で退廃的なイメージのウェアが揃う。

ミステリアス or シュールな果実柄プリント

リアルなタッチで描かれた、艶やかな果実柄プリントのシャツやブルゾンは、柔らかな光沢感のあるレーヨン素材で仕立てられている。袖を通した時の軽さと、布地の緩やかな落ち感が優雅な印象だ。絵柄は写実的だが、どことなくスモーキーな色彩が霧や影のかかったような、ミステリアスな空気感を連想させる。

一方で、果実のモチーフをポップに散りばめたプリントシャツやパンツも登場。緑や白の生地に「禁断の果実」として広く認知されているリンゴの他、熟れたラズベリーや赤い唇、バラなども描かれており、シュールで非現実的なフィーリングに仕上げている。

水彩画のようなタッチのペイント

透け感のあるブラウスには、水彩画のような質感の花々を大胆にペインティング。花の絵柄にデザイナーの深民尚が自ら色を乗せていったものをプリントしている。穏やかな筆使いに、湿り気のある、毒っぽさの滲む発色が目に留まる。また、ジャケットの裏地には同じ絵柄の花をモノクロでプリント。そっと遊び心を覗かせた。

軽く柔らかなジャケットやコート

ジャケットやコートといった、アウター類も春夏らしく軽やかだ。ノーカラーのロングコートは、端正なフォルムとは裏腹に、身体にすっと馴染んでいくような、ソフトでゆるやかな質感が魅力。ホワイトのシンプルなノーカラージャケットも、シャツを着るような感覚でリラックスしたまま羽織ることのできる、心地良い肌触りの布地で仕立てられている。

その他、風や光を含んだようなシワ加工のジャケットや、薄手のチェック地と編地を前後で切り替えたカーディガン、肌馴染みの良いコンパクトなデニムジャケット、断ち切りのストライプシャツなど、表情豊かなウェアが揃う。