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Q.細田監督が望んだストーリーとはどんなものですか。

僕が考えていたのは、色々な世代の人が自分の子供時代を思い浮かべながら見るような作品。または自分の身近な家族を思い浮かべながら見るような作品。

僕はいま、自分の子供と過ごしていると子供時代を生き直すことができている。全く同じ存在にははなれないけど、子供と同じような気持ちになって子供と近い存在になったような気がしてます。

根本にあるのは、映画を通して、小さな子供と一緒に過ごす喜びを味わって欲しいということ。僕が子育てで体験していることと同じようなことを観客の皆さんにも体感してもらえるんじゃないかと期待しているんです。

子供が見る世界はもっといいものだし、きっと大人の自分たちもかつて同じような世界を見ていたはず。そういう世界を描きたいっていうのが僕の作品作りのポイントなんでしょうね。

たくさんの経験をさせてくれる子供の存在

「おおかみこどもの雨と雪」
「おおかみこどもの雨と雪」
©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

Q.子育てからたくさんのことを学んでらっしゃるんですね。

おそらく、子育てってそういう気持ちになるってことなんだなと思いました。子育ては大変だ。お金がかかる、自分の時間がなくなる、幼稚園・保育園がない。少子化も相まってネガティブなことばっかりにフォーカスされます。でも実際はそんなところ補って余りあるほど、子供にたくさんの経験をさせてもらってると感じます。

子供はどんどん変化するから面白い

「サマーウォーズ」
「サマーウォーズ」
©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

Q.子供の面白さって何でしょうか。

常に変化していくことですね。それが面白い。僕らって優しくなろう、賢くなろう、美しくあろうとか変わろうとするけれど、なかなか変われない。でも子どもは変われる、どんどん変わる。うちの子を見てるとそう思いますけど、夏休みとかほんの少しの期間でも大きく変化しますし、ダイナミズムがすごい。そういうのを見るとエネルギーがあってうらやましいって思うんですよね。

「バケモノの子」
「バケモノの子」
©2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

Q.社会に対して伝えたいメッセージはありますか。

僕は、エネルギッシュなものを映画に込めたいとは思っていないし、何かを伝えるために映画を作っているわけでもありません。自分がやるべきでもないし、そんなことはこれからもしないと思います。

ただ現状それぞれの作品に向けて取材などをしていくと、子どもにまつわることで学ぶことがある。例えば『バケモノの子』の時は、親がいない子を主人公にしていたので、児童福祉事務所や児童養護施設の取材を重ねて、子供の貧困っていうのを知っていきました。取材していく中で学んだことが作品に生きたり、ストーリーのきっかけになったりすることは確かです。

時を経ても変わらないもの

「時をかける少女」
「時をかける少女」
©「時をかける少女」製作委員会 2006

Q.子供という一つの一貫した視点から、世界中の人に響くテーマを見つけることは難しくないですか?

世の中には2つのものがある気がしていて。一つは地域によって、人によってバラバラなもの。そしてもう一つは突き詰めていくと変化しないもの。

僕が変わらないものがあるって感じたのは『時をかける少女』のとき。制作した2006年当時、原作は40年前の作品でした。40年前と2006年を比較することで、ものすごく変わってしまったものもあれば、何も変わらないものもあるなって感じたんです。

「サマーウォーズ」
「サマーウォーズ」
©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

例をあげると「家族」という概念も同じ。昔はこれが家族っていう共通認識があったと思います。ところが今は、価値観が音を立てて変化していく時代なので、人それぞれに家族の在り方が異なってくる。昔は子供がたくさんいるのが当たり前、二人以上は普通、僕のような一人っ子はクラスに一人ぐらいしかいませんでした。

でもいまは一人っ子はいっぱいいますね。夫婦二人だって家族だし、兄妹だけで住んでいても、子供がいてもどれも家族。以前のようにこれが家族っていう共通認識は薄れてきている。

細田守 インタビュー|写真19

そういう変化の中で逆に共通する言葉はありません。それでも、何をして家族と呼ぶか。そういうところは変わらないと思うんです。

だから日本の片隅の小さなものを描きながらも、いろんな国の人が見て共通して感じ入ることっていうのは自ずと浮かび上がってくる。僕はそこに力点を置いて作品を作っていきたいと思っています。

【作品情報】

■『未来のミライ』
公開日:2018年7月20日(金)より全国東宝系
監督・脚本・原作:細田守
作画監督:青山浩行、秦綾子、美術監督:大森崇、髙松洋平、プロデューサー:齋藤優一郎
企画・制作:スタジオ地図
©2018スタジオ地図

■「時をかける少女」
Blu-ray Disc発売中
Blu-ray:2,759円+税
発売・販売:KADOKAWA
©「時をかける少女」製作委員会2006
■「サマーウォーズ」
Blu-ray Disc発売中
Blu-ray:2,759円+税
発売・販売:バップ
©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS
■「おおかみこどもの雨と雪」
Blu-ray Disc発売中
Blu-ray:2,759円+税
発売・販売:バップ
©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
■「バケモノの子」
Blu-ray Disc発売中
Blu-ray:2,759円+税
発売・販売:バップ
©2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

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