ジル・サンダー(JIL SANDER)の2019年春夏メンズコレクションが、2018年6月22日(金)にフランス・パリで発表された。

自信、覚醒、自由をキーワードに

自信、覚醒、自由をキーワードに、今シーズン思い描いたのは、直感力と自分のルールを持ち、プレイフルに装える若い男性。基盤には、伝統的なテーラリングやユニフォームを置き、そこにモダンかつ実用的なフォルムを融合した。

フォルムとエクスチャー、融合して伸ばす長所

全体的にボックスシルエットで、身に着けると360度身体との間に空間ができる立体的なフォルム。ファブリックの特性を活かすパターン構成が、このシルエットへと導いているのだ。ユニフォームをイメージソースとしたカシミアのシャツ、ごく薄いレザーを用いたアノラックパーカーなど、滑らかな素材だからこそ生まれるドレープ感を活かしてエフォートレスなスタイリングへと応用した。

一方でハリ感のある素材は、ミリタリーのインスピレーションから生まれたアウターに。ジッパーが前合わせ部分に波打つように配されていて、硬質的な素材と相まって絶妙なユーズド感を漂わせる。また、以前より提案してる「ペーパリーコットン」はその名の通り、紙のような独特のハリとかさつきがあるテクスチャーで、ハーフジッププルオーバーに採用。そのほか撥水加工のコットンポリウレタンのレインコートなど実用性を兼ね備えたアウター類も、今季のキーアイテムとなっている。

シルエットのほとんどがロング丈、およびビックサイズ。縦長のシルエットをつくるため、シャツなどの襟には取り外し可能な襟が付属している。また、ニットはワンピースほどのレングスで、袖が膝下ほどまである特大サイズだ。ボトムスはキュロットパンツのように広がるワイドシルエット。時折エプロンスカートのようにフロント部分にだけ1枚布を巻いたデザインも提案している。

ホワイト、ブラック、クリームカラーなどナチュラルな色で構成されており、穏やかさを持つこれら色は、若者たちに自信を与えるカラーパレット。そんな中登場する、絣のような古典的なチェック柄、そしてカラフルなジオメトリック柄は、彼らの自由を象徴するテキスタイルでもある。