ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2019年春夏メンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年6月16日(土)に発表された。
ドルチェ&ガッバーナの”DNA”に焦点を当て、その根底にあるものに磨きをかけて表現する今季。昨今提案してきたミレニアルズに向けたモダンな表現を加えながらも、歴史に根付いたものをしっかりと取り入れることで、これまでになく多様性に満ちたランウェイとなった。
まず、モデルの起用の仕方が面白い。老夫婦や親子、兄弟などが登場したかと思えば、イタリアが誇る女優モニカ・ベルッチ、90年代を代表するスーパーモデルであるナオミ・キャンベルら豪華な面々も登場する。日本のセレブリティとしては俳優の竜星涼が、ビジューが煌めく純白のスーツでランウェイを歩いた。
洋服は、どのスタイルもドルチェ&ガッバーナのDNAからインスパイアされていることが読み取れる。バロック調のジャカードを用いたガウンジャケットやスーツ、それからビザンチンモザイクを色鮮やかに蘇らせたシャツやブルゾンなど、本来なら非常に重厚感を感じられるはずが、ドルチェ&ガッバーナの解釈が加わることでプレイフルかつエレガント、そして軽快に表現されている。過去のコレクションで登場した、パスタ柄などのアーカイブモチーフも同じく、楽しいムードでランウェイを彩った。
イタリア人紳士たちの日常を想わせるような、ハンチング帽をかぶって、シャツをスラックスにタックインしたカジュアルなスタイルには、ゴールドのビジューを配置。一方で、若者たちが身に着けるようなベースボールシャツやトラックスーツには先に述べたような伝統的な模様が採用されている。さらに言及すれば、今回はそのストリート感溢れるスタイルを年配モデルの起用によって提案している。
さらに今季は、シチリア島のバカンスから着想を得たスイムウェアや、リネン素材のアイテムもみられた。コレクションを通して伝統とモダンが重なり、日常着は煌めいて多様性に満ち溢れ、特別な日の服装へと転換されていく。それはまさに”DNA EVOLUTION”なのだ。