マリメッコ(Marimekko)の2018-19年秋冬コレクションを紹介。
今季は、フィンランド北部から国境を超えて広がるラップランド地方の、異国情緒に溢れた冬景色からインスピレーションを得た。民族調のシルエットや、深みのある色彩、アーカイブのデザインも取り入れた多彩なテキスタイルパターンが、コレクションを穏やかながらも力強く彩っていく。
赤い花々を生き生きと表現したドレスは、鮮やかなレッドの色彩に陰影のような紫を配し、明るくも艶やかな世界観を演出。布地いっぱいにひしめき合う花たちが、揺れ動いているかのような躍動感を感じられる。光沢感のあるベロアパンツにボタニカル柄が落とし込まれると、植物ならではの妖艶さがより浮き彫りに。
また、マリメッコの定番柄「ウニッコ」も秋冬仕様のカラーリング。身体を包み込むようなロングドレスを埋めるようにあしらわれた花びらは深みのあるバーガンディに彩られ、パワフルなエネルギーを放つ。
モリフクロウの目を筆で大胆に描いた模様は、ゴールドのジャカードで表現。シックな光を放つロングコートは、ウエストにベルトを結んで絞ることでシャープな印象に。自然の中に溶け込むような穏やかな輝きに、ダイナミックながらも柔らかな筆致で描かれた孤が相まって優しい雰囲気に仕上げている。
一方、ブルーのダウン地に同じ柄を乗せると、夜を思わせる落ち着いたムードが印象的だ。コートと同じダウン地のストールをざっくりと首に巻き、トップスにはボリューム感を持たせている。流れるようなベロアのボトムスと組み合わせることで、ダウンのスポーティなイメージに気品を添えた。
手描きの質感が感じられる細い線のストライプのブラウスには木版で表現したプリントスカートを合わせ、コーディネートをブラックとホワイトで統一。ギャザーで切り替えたスカートに施された様々な方向を向いている線は、まるで複雑な造形を成す光の筋と影のような繊細さを感じさせる。はたまた、太いラインのストライププリントは、ロングシャツワンピース、ブラウス、ワイドパンツなどゆとりのあるシルエットのウェアをより大らかな表情に見せ、リラクシングな空気感を生み出す。