主演・藤原竜也、監督・蜷川実花による映画『Diner ダイナー』が、2019年7月5日(金)に公開される。
原作は、店主も客も全員が殺し屋という「ダイナー(食堂)」を舞台にした平山夢明による小説『ダイナー』。元殺し屋で天才シェフの店主・ボンベロと、とある事件をきっかけにウェイトレスとして売られたオオバカナコを主役に、極限状態の日常を描く作品だ。
監督を務めるのは、写真家・映画監督の蜷川実花。2007年公開の『さくらん』、2012年公開の『ヘルタースケルター』に続く3本目の監督作となる本作で、蜷川ならではのファンタジック・ワールドを描き出す。
主演を演じるのは、『デスノート』『僕だけがいない街』『22年目の告白-私が殺人犯です-』など、これまでも怪奇的な役柄を演じてきた藤原竜也。蜷川幸雄に見出され芸能界デビューした藤原竜也と、同氏の娘に当たる蜷川実花監督の運命的なタッグに注目したい。またヒロインの座には、モデルのみならず女優としての活躍場を広げる玉城ティナが抜擢された。
主人公・ボンベロ(藤原竜也)…殺し屋専門のダイナー(食堂)に、王のように君臨する元殺し屋の天才シェフ。ダイナー内での勝手な振る舞いは相手が誰であろうと決して許さず、狂暴な殺し屋達からも一目置かれる絶対的な存在。
オオバカナコ(玉城ティナ)…幼い頃に母に捨てられ、祖母に育てられた孤独な少女。ある日、日給30万円のアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に殺されそうになったところを、ボンベロが営むダイナーにウェイトレスとして買われる。
映画『Diner ダイナー』を手掛けた蜷川実花監督にインタビューを実施。“映像化不可能”とまで言われた原作小説『ダイナー』は、一体どのようにして映像に落とし込まれたのか?その制作の裏側について話しを伺った。
映画『Diner ダイナー』には、前2作にはなかった初のアクションが含まれていましたが、監督らしい豪華絢爛なシーンで溢れていましたね。
実は私アクション映画自体が苦手で、あまりにも格闘シーンが長いと寝てしまうほどなんです(笑)。そもそも「アクション映画が大好き!」っていう女性って、男性ほど多くはない思いますが。
だからこそ私のように、このジャンルにそこまで興味がないという人にも、“この映画は本当にすごかった!”と思っていただけるような派手なアクションにしたいと決めていました。実際にこれまでにないほど、豪華な映像に仕上がったと思っています。
これまでの作品とは異なるジャンルへの挑戦には、不安を感じませんでしたか?
たしかに『Diner ダイナー』は、『さくらん』『ヘルタースケルター』にはない男性的な要素が強く含まれていたので、手探りなところはあったのですが、不安よりもワクワクする気持ちの方が大きかったです。
実際に制作の場面で難しいと感じたことは?
原作は多くの殺し屋たちが入り乱れるすごくハードな物語なのですが、それを年齢制限を設けず、老若男女問わず楽しめる作品に仕上げなければならなかったので…。そこをどうやって“とんち”をきかすかというのが、一番高いハードルに感じました。けれど、そういったある種の規制が設けられていたからこそ、本来なら思いつかない面白いアイディアも出てきたのだと思います。
具体的にいいますと?
本来グロテスクなイメージのある血しぶきのシーンを、真っ赤な花びらで代用してみたりとか。普通のアクションシーンならまずありえない絵だと思うのですが、だからこそ自分のカラーを全面に出していこう!と思いました。
今秋公開される『人間失格 太宰治と3人の女たち』はそこをぐっと抑えた作品になる予定なので、その反動もあって『Diner ダイナー』の方は、私好みのアクセル踏みっぱなし(笑)。自分の得意技を駆使した、ビジュアル的にすごく快楽的な作品に仕上がったと思っています。