バルマン(BALMAIN)の2012-13年秋冬メンズコレクションは、帝政ロシア陸軍将校のユニフォームに漂う男性的なエレガンスと、旧ソ連のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフが持つ洗練された上品さという二つの要素からインスピレーションを得た。カラーパレットはミッドナイトブルー、レッド、ホワイト、ブラックなど貴族的な色彩を取り入れ、また国旗のような雰囲気で高貴さの中にも色鮮やかさを引き出している。
ベルベットやウォッシュドシルクのパンツなどの緩やかで履き心地の良い上品なパンツに、ボックスシルエットやシャープなデザインの短めの丈のジャケットと合わせるスタイルを提案。またハンカチーフのように薄いコットンを使用したバンドカラーのチュニックシャツに、ミッドナイトブルーのポニースキンを取り入れたバイカージャケットと合わせ、硬派な印象に引き締める。
コード刺繍や肩章、エンボス加工を施したピューター製のボタン、目を引くエッジィなラペルなどがアクセントになりシャープに仕立てあげられたジャケットやコート。そして旧ロシア皇帝の部屋にあるような凝ったインテリアからヒントを得た厚手のコード刺繍をあしらったベルベットのジャケットは、ドレッシーな新素材を使用することによって洗練されたコレクションとして完成された。
軍服の気高く力強い風格と、バレエダンサーの持つ上品さと柔らかさが佇む、エレガントなコレクションとなった。