今回が初来日となったアレクサンドルとセバスチャン。日本の感想を聞くと、満面の笑みで答えてくれた。
「日本は素晴らしい国です。日本に来られたことをとても光栄に思います。これが最後じゃないといいのですが(笑)。ファッションに関しても、今までパリだけがファッションの中心地だと思っていたのですが、日本も間違いなく世界のファッションの中心のひとつだと思います」(アレクサンドル)
「私も日本に来れて幸せです。日本は驚くべき場所で、パリとすべてが逆であるような気がします。例えると、動く水のよう。毎日が違うし、ものごとがどんどん進んで行っている感じがします。パリはもっと静かですから」(セバスチャン)
東京では常に新しいものが始まっている、と驚きを隠せない様子。東京という街に興味津々のようだ。
「東京では表参道のビルとか、普通の家とか、そして道行く人を見ているだけで楽しいです。そんな人々をよくスケッチしています」(セバスチャン)
そう話しながら見せてくれたセバスチャンの青いノートには、東京の道を歩く人々の姿が描かれていた。
「東京の人はそれぞれが自分のスタイルを持っていて、そのカテゴリーがとても多いように感じました。日本のショップも様々なカテゴリーで、いろんなスタイルを提案していますよね。パリにはブランドのフラッグシップショップは、たくさんありますが、セレクトショップは少ないんですよ」(アレクサンドル)
いろんなお店に行ってみたという彼らに、日本で何を買ったのか聞いてみた。彼らがポケットから取り出したのは、ポスカとノート。
「見ただけでクオリティの良さが分かりますよね。デザインのひとつひとつに意味があって無駄がない」(セバスチャン)
「日本の製品はアーティスティックで、なんといっても品質がいいです。シンプルなデザインですが、ディテールまで完璧です。それに、プロダクトのPRの仕方も素晴らしいと思います。パッケージも考え抜かれていて、強いメッセージ性を持っています」(アレクサンドル)
パリの伝統や歴史と、新しい感性が融合して生まれるコミューン ドゥ パリのクリエイション。その秘密は、鋭い洞察力と、既成概念にとらわれることのない自由な創造力にあるのだろう。今回の来日により、さらに刺激された彼らのクリエイションの次の展開もとても気になるところだ。