クリエイティブ集団コミューン ドゥ パリ(COMMUNE DE PARIS)

ファッションとグラフィックアートの世界で活躍するパリ発のクリエイティブ集団コミューン ドゥ パリ(COMMUNE DE PARIS)。「ディエチ コルソ コモ コム デ ギャルソン」から別注アイテムを手掛けたことでも話題になった彼らは、4月にリステアで日本初のポップアップストアをオープンした。それに際し、ブランドのファウンダーのうち、アレクサンドル(デザイナー・写真左)とセバスチャン(アートディレクション/グラフィック担当・写真右)のふたりが初来日。インタビューで彼らのクリエーションについての想いや初めての日本への感想を聞かせてくれた。

"コミューン ドゥ パリ"というブランド名は「1871年にフランスで起こった民衆発起により誕生した革命政府の名前(パリ・コミューン)に由来している。

「この名前は、当時のパリジャンのフレンチスピリットを表現しています。ブランドを象徴するマークも、民衆を表すニワトリと、革命で民衆が武器として持った大砲です。そしてもうひとつ、「City of Paris(パリという街)」という意味も含んでいます。僕らは全員パリ出身ですから」(アレクサンドル)

リステアのエントランスを入ってすぐのポップアップショップでは、エッフェル塔がタバコを吸っているグラフィックがまず目に飛び込んできた。これはセバスチャンがデザインしたもの。今回のために特別に青のエッフェル塔も披露された。店頭に並んだのは、老舗陶器メーカーのアスティエドヴィラッドとのコラボによる食器や、パリのアーティスト集団とのコラボによるポスター、同じくパリのアーティストのジュリアン・ランゲンドルフのクッションなど。インタビューが行われた、ポップアップショップオープン3日目には、既に売り切れのアイテムが出るほどの人気だった。

ディレクションを担当するアレクサンドルは、ひとつひとつのアイテムを愛おしそうに見つめながら説明を続ける。

「シャツはイタリアの生地を使って、デザインはシンプルでディテールを重視しました。タグにもパリカラーの青と赤の糸を使っています。それぞれのアイテムは、ハンドメイドのグラフィックと、マテリアルとのバランスを考えながらデザインしています。伝統的な職人技と現代的なアートコンセプトの融合もコミューン ドゥ パリのキーワードなのです」

コラボレーションにより様々なクリエイティブなアイテムを生み出してきた彼ら。そのコラボレーションはどのように生み出されるのだろう。

「様々な分野のプロの方々とコラボレーションをしてきましたが、そうして彼らが作れないものを僕らが作る、お互いの能力をシェアすることで、オリジナルなものを生み出してきました」(アレクサンドル)

「知識のコラボレーションとでも言うのでしょうか。アイディアに制限は設けず、いろんな可能性を探っています」(セバスチャン)

プロジェクトのアイディアは、身の回りの様々なことがきっかけで思い浮かぶのだそう。

「今現在どんなことが起こっているか常に探しています。ネット上でも探しますし、毎日身の周りで起こっていることからもクリエーションは生まれてきます。例えば、ムッシュ・ジョイという人がいるのですが、彼は日本製の生地でボウタイを作っています。他とは違う彼のものづくりをとてもおもしろいと思って、僕らのコレクションに参加してもらいました」(アレクサンドル)