3月19日、ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)が2012-13年秋冬コレクションを発表した。飛行機の離陸音が響く中、ランウェイにブルーとイエローに輝く滑走路が浮かび上がった。サーチライトが照らす中、アフリカ語のアナウンスがショーのスタートを告げる。タイトルは「Award Tour」。空港にいる旅行者が今季のテーマだ。モデルの人種も幅広く、今回は日本人モデルの姿も。世界一周の旅をイメージして、オリジナルのBGMにもヒップホップからサバンナの動物の声まで様々なサウンドがミックスされた。
「空港はアウトドアスタイルをインドアで着ている場所」と語るデザイナーの相澤。よりスタイリッシュなアウトドアを表現しようとした彼にとってぴったりのイメージソースが空港だった。さらに、「空港は人々が楽しい未来に向かう、希望に満ちている場所だから、そんなイメージをショーのイメージとリンクさせて、楽しんでもらえるようなショーにしたかった」と話した。
メインカラーのボルドーは、架空の航空会社の"Award Tour Airline"のコーポレートカラー。インナーには着心地のよいニットを、さっとはおれるダウンベストなどのアウターや、温度調節のできるレイヤードスタイルが今季のメインで、いつもよりさらにリアルクローズに近づけて作り出された。デザイナー自身もお気に入りというニットは、バリエーション豊かな柄や素材で展開されている。
警官、清掃員、そして最後にパイロットまで登場したショーの終わりを告げたのはフランスのシャルル・ド・ゴール空港のアナウンス。シャツ姿のモデル達は、全員胸ポケットにパスポートをしのばせてフィナーレに登場した。先日NYで開催された展示会でも手ごたえを感じたと語る相澤によるホワイト マウンテニアリングも、異国へ向かう旅人のように、未来への確かなヴィジョンと希望を携えているのだろう。