兵庫・神戸ファッション美術館は、2017年10月18日(水)から12月26日(火)までの期間、特別展示「宮脇綾子 美しいアプリケ 布がつむぐ暮らしの装い」を開催する。

「デンマークのしゃもじなど」1970年 個人蔵

宮脇綾子は、戦後、自身が40歳の時に創作活動を始め、1960年には「アップリケ綾の会」を結成するなど、精力的に活躍したアプリケ作家。身近にある魚や野菜、草花などをモチーフに、古裂の素材を生かし、まるで絵画のように立体的で情感にあふれたアプリケ作品を手掛けた。今回の展示では、「日常の美」「自然への愛」「人間・家族への愛」をテーマに、宮脇綾子の初期から晩年までの代表作、特別出品の作品約220点を展示する。作品を紐解く他、愛用品や洋画家の夫・晴が描いた宮脇綾子の肖像画も展示する。

 
左)「しゃけ」1973年 豊田市美術館蔵
右)「伊勢えび」1982年 豊田市美術館蔵

布地の柄を青く光る魚の表面に見立てた「しゃけ」は、ひれの部分に縞模様の布地を使い、身の部分には細かい白糸が見える朱色の生地を使用。布の持つ温かみと鮭の特徴を鋭くとらえた表現が見て取れる。「伊勢えび」は、伊勢海老の甲の凹凸感や光沢感を、豪華な柄で表現した作品。生地の水玉を生かして目の部分を描く、細やかなユーモアにも注目だ。

【詳細】
特別展示「宮脇綾子 美しいアプリケ 布がつむぐ暮らしの装い」
会期：2017年10月18日(水)～12月26日(火)
※休館日：月曜日、10月10日(火)～17日(火)
場所：神戸ファッション美術館
住所：神戸市東灘区向洋町中2-9-1
TEL：078-858-0050
開館時間：10:00～18:00(入館は17:30まで)
入館料：一般500円、小中高65歳以上250円
※「神戸ゆかりの美術館」、「小磯記念美術館」に当日入館券の半券提示で割引料金での入館可。
※神戸東灘アートマンス スタンプラリーを11月23日(木・祝)まで開催。
※上記料金で特別展示とベーシック展示の両方閲覧可。
■関連イベント
・講演会
「戦後」から生まれた手芸 ―手芸の近代史から宮脇綾子の作品をみる―
日時：11月26日(日) 14:00～15:30
講師：山崎明子氏(奈良女子大学准教授)
会場：4階 第1セミナー室
定員：90名(先着順)
※参加無料、要申込
・ギャラリートーク
日時：10月21日(土)、11月12日(日)、12月9日(土) 14:00～(30分程度)
解説：当館学芸員
※要入館料、申込不要
・バックヤードツアー(美術館探検編)
日時：10月28日(土)、11月11日(土)、12月23日(土) 10:00～11:30
※参加無料、要申込